「島ネタCHOSA班」2016年01月28日[No.1605]号
タコライスに続けとばかりに、「イカライス」があるそうですね。どんな料理でどこで食べられるのか、調べてもらえませんか?
(金武町 タッコさん)
新沖縄名物イカライス!?
沖縄のソウルフードのひとつといえるタコライス。1980年代に金武町のパーラーで誕生し人気メニューになった後、今や全国区のおいしさになりました。そんなタコライスに関係があるのか、まねているのか、イカ入りなのか!? イカライスの真実に迫ります。
タコライスをオマージュ
イカライスについて周りの人に聞きネット検索を試みたところ、浮上したのは「イカライスベンダー」という店ただ1軒でした。そのまんまのネーミングですね! 浦添市・国立劇場おきなわの隣にある店だそうです。早速店舗を訪ね、オーナーの池城安司さんに質問したところ、遊び心でイカライスという名前を思い付いたとのこと。イカライスを看板メニューに店を始めるのは、大胆な決断だったのではないでしょうか?
「おいしくて知名度の高いタコライスへのオマージュを含め、その妹分となるイカライスを作りたかったんです。食材の違いだけでなく、味も見た目も対照的にしたい。それを言葉で表現すると、イカしか浮かびませんでした」
それでイカライス作りに挑戦する流れになったそうですが、どうやってレシピを考えていったのでしょう?
「お昼ごはんにグリーンカレーとタコライスどっちも食べたい、という気持ちが発想のきっかけです。合体させたら絶対おいしい、という確信もありましたね」と池城さん。2014年夏頃から鶏肉など食材を選び、試作を始めたそうです。サラリーマン生活を卒業したいと、ライフプランの見直しを図っていた時期でもあったと言います。
そんな池城さんの強力なパートナーになったのは、弟の安信さん。安信さんはなんと人気のごはん屋「ピパーチキッチン」(那覇市西)のオーナー。プロの料理人である弟と、タコライスをイメージさせる新メニューのイカライスを開発していったそうです。味も見た目も2人が納得できるイカライスが無事完成し、15年7月には浦添市が開業をバックアップするチャレンジショップとして店舗を開設。イカライス専門店「イカライス ベンダー」は、とんとん拍子でオープンに至りました。
イカを入れない イカライス
では、そのイカライスを食べてみたいと思います。ピパーチ入りのターメリックライスの上に載っているのはグリーンカレー風味の鶏ひき肉で、レタスやキャベツなど旬の野菜が取り囲み、チェダーチーズとピーナツが散りばめられて、ヘルシーな印象です。タコライスにはトマトベースの赤いサルサ(ソース)をかけますが、イカライスは白いオニオンピクルスで辛みを出します。口にするとピリ辛風味ながら優しい味で、とってもおいしい! そしてイカらしきものは…見当たりません。タコライスはタコス(メキシコ料理)の具を取り入れていますが、イカライスは!?
「イカは入れていません。もし入れたら、ただの”イカめし“になって面白くありませんから。でもイカライスでは意味不明なので、”イカスライス“にしようか迷った事実はあります。結局はタコライスの名前と見た目を意識しただけなんです」と、池城さんは笑顔になりました。「タコライスのようにたくさんの販売店を持ち、レトルトで食べたりコンビニに並ぶようにしたい。イカライスをもっと多くの人に知ってもらいたいです!」と、熱く語っていました。
池城さんのユーモアと、おいしい沖縄名物を作りたいというこだわりが詰まったイカライス。県民はもちろん県外の人にも食べてもらいたい、と夢が広がります。ユニークな名前でおいしいので、新沖縄名物としてブレークする日が近いかもしれません。これを読んで気になった方、食べに行ってくださいね!