「島ネタCHOSA班」2018年01月18日[No.1708]号
友人から「サイコロ堂」というアナログゲームのお店があると聞きました。どんなお店なのか興味津々です。度胸がない私に代わってぜひ調べてください。
(那覇市 ボードウィンさん)
アナログゲーム専門店に潜入!?
アナログゲームのお店って一体どんな場所なのでしょう。さっそく那覇市三原にある「サイコロ堂」を訪ねてみました。
電気使わず遊べる
ビルの地下に続く階段を下りて、扉を開けると、店主の伊東剛希さんが出迎えてくれました。店内には5〜6人座れるテーブル席が五つ。思ったよりもゆったりとした空間です。
壁一面の棚にはゲームの箱がずらりと並んでいます。「販売品が約500アイテム、店内で遊べるゲームは約1500アイテムあります」と伊東さん。大人はもちろん、子どもも楽しめるゲームも数多く取り扱っているそう。中には絶版になってしまった高い価値を誇るものもあるといいます。
アナログゲームとは、一体どんなゲームなのでしょう?
「簡単に言うと電源を使わないゲームです」と伊東さん。スマホゲームやオンラインゲーム、テレビゲームと対極にあり、デジタル時代の今、盛り上がりを見せているといいます。休日は30人入るという店内がお客さんでいっぱいになるという人気ぶり。以前はアナログゲームで遊べる店は同店のみでしたが、昨年1年間で県内に4店舗オープンしたそうです。
同店で主に扱っているのが「ボードゲーム」。「モノポリー」や「人生ゲーム」ぐらいしか思い浮かばない調査員ですが、店内には初めて見る海外のゲームが数多くあります。「人気の作家もいて、作家買いする人もいます」と伊東さん。ドイツを中心に海外ではボードゲームが盛んなようで、パッケージを見るだけでもそれぞれ個性があって興味深いです。
サイコロ堂は4年前にオープン。国内外のボードゲームを中心とした「アナログゲーム」の販売、およびゲームができるスペースを提供しているといいます。500円+1ドリンク(300〜500円)を支払えば、時間無制限で遊び放題というシステムになっているそうです。
どのような方がここに来てしているのでしょう。
「一人で来るお客さんが多く、年齢層も30〜40代を中心に幅広いです。仕事帰りの会社員や、親子連れ、外国人、女性も多いです」
一人で入るのは勇気が要りそうですが、伊東さんがお客さん同士を一緒のゲームに案内したり、趣味の合いそうな人たちをマッチングしたりと、参加者同士をつなげてくれます。
北海道出身で、大学進学で沖縄に来た伊東さんは、学生時代にボードゲームに出会ったそう。「海外のボードゲームはものが違うと聞き、購入。遊んでみたら楽しくて、楽しくて」と振り返ります。
伊東さんが最初に購入したボードゲームが「スコットランドヤード」。刑事役のプレーヤーたちが逃走する犯人を一緒に追いかける戦略ゲームです。犯人が使った交通機関や目撃情報などをもとに、犯人の居場所を推理していきます。実際にやり方を教えてもらいましたが、頭脳系で奥深いです!
人とのつながり生む
「ここでは、性別も年齢も関係なく、友達として遊べるんです」と伊東さん。さまざまな人が、コミュニケーションを取りながらゲームを進めていくのは新鮮です。
「単純にゲーム自体も面白いです。頭を使って遊ぶのが好きな人は好きなはず。お店づくりのコンセプトの一つがお酒を飲まなくても夜遊べる場所。大人が遊ぶ選択肢として考えてもらえればうれしいですね」と伊東さんは話します。
店内にいた数人に「サイコロ堂」について聞くと、「違う部署の人たちが交流し、ヨコのつながりができる『喫煙所』の中みたいな感覚」「友達の家のような空間」と答えてくれました。
上下関係の垣根を越えた付き合いができるなんて、うらやましい限り。このまま皆さんと遊びたい気持ちを抑え、後ろ髪を引かれる思いで次の取材先に向かった調査員でした。
アナログゲームショップ「サイコロ堂」
☎050-3579-1105