「島ネタCHOSA班」2018年03月15日[No.1716]号
先日、耳鼻科へ行ったら診察中に医者がいきなり歌いだしたんです。なぜ歌を歌っていたのか、あまりの驚きに何も聞けませんでした。気になってしかたがないので調査お願いします。
(宜野湾市 空耳かしらさん)
歌いながら診察する医者!?
なんですって!? 診察しながら歌う医者がいるとは驚きです。真相を確かめるべく、調査に行ってきまーす!
歌う理由は?
依頼主によると、その病院は宜野湾市内にある「山内耳鼻咽喉科」。さっそく中へ入ると、診察室の前で待機するよう言われました。耳鼻科が苦手な調査員。患者と間違われたらどうしよう? と不安になっていると……。
「お耳をきれいにしましょうねー、ランランラン♪」と楽しげな歌が聞こえてくるではありませんか! しばらくして診察室から登場したのは院長の山内盛雄さん。歌っていたのは院長だったのですね!
「診察のときは、だいたい歌っていますよ。子どもの気持ちをほぐすためにはいいかなと思って。耳を触ろうとしたら耳を押さえて逃げる子もいますから、恐怖感を取り除くために歌っているんです」
そうだったんですか。「診察前も緊張が和らぐように話をしますよ。例えば『ご飯食べた人ー!』と言うと、子どもは『はーい!』と返事をしてくれます。それから診察台に座らせて『たくさん食べて大きくなってねー。いまいくつー?』というふうに」
なるほど、これなら付き添う親も「優しい先生だ」と安心してくれそうです。ところで、大人に対しても歌を歌うのですか?
「はい。歌うと『ふふ〜ん』と鼻を広げて笑ってくれます」と患者の顔真似をする院長を見て、思わず笑ってしまった調査員。だってとてもチャーミングな笑顔なんですもの。これだけ鼻の穴が広がれば、鼻の診察はばっちりですね(笑)。
中には歌い始めるとムッとする大人の患者もいるらしく、「不真面目だ」というような顔をする人もいるそう。それでもほとんどの人が「面白いねぇ」と言い笑うとのこと。院長の歌はおおむね好評のようです。
愉快な言葉のやりとり
と、ここで診察の時間になりました。調査員は特別に診察の様子を見せていただくことに。診察台に座っていたのは宮里阿連(あれん)くん。さっそく言葉のキャッチボールが始まりました。
院長「何歳になった?」、阿連くん「10歳」、院長「おー、天才だな」
えっ、院長ダジャレですか? 「天(10)才(歳)」ですよね? と聞く間もなく話は続きます。
院長「ゴーヤー食べる? 食べない?」、阿連くん「食べれる」。そして……「野菜をたくさん食べましょねー、ランランラン♪」
く〜、紙面でお聞かせできないのが残念! 実に軽快なメロディーで、歌詞をそのときどきでアレンジするのが特徴です。しかも自作!
阿連くんのお母さんは「子どもが小さい頃から通っています。最初は先生が歌うことにびっくりしました。とても気さくで話しやすい先生ですね」と話します。
看護師の米田ひろみさんによると、院長は「もともと面白い先生」だそうで、初めて歌う様子を見たときも、さほど驚かなかったといいます。
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院長が医者を目指したのは復帰前。当時は沖縄の現状を考え、もっと平和な社会になるよう貢献したいと意気込んでいたそうです。その熱い思いが「人を助ける医者になろう」という決意につながったとのこと。いまでは患者の痛みを和らげて帰してあげられるようにと、日々歌いながら診察に励んでいるのです!
今回の調査で、院長の歌はただ楽しいだけではなく、優しい思いが詰まっているんだと実感し、なんだか温かい気持ちに。帰る道すがら「耳鼻科なんて怖くない、ランランラン〜♪」と口ずさむ調査員なのでした。