「島ネタCHOSA班」2019年05月02日[No.1775]号
沖縄でライダーたちの間で着用率が高い、特徴的なフォルムの「ヤールーヘルメット」。全国に比べ、沖縄が特別に普及していると聞きました。本当ですか?
(うるま市 30代男性 電光石火のトリプルプレーさん)
県民愛用のヘルメット!?
確かによく見ますよね、ヤールーヘルメット。凹凸でラインが入っていて、個性的な曲線のデザインがかっこいいですよね。調査員はてっきり日本全国満遍なく愛用者が多いと思っていましたが、このうわさを調べるために業界の方々にお話を聞いてきましたよ!
軽く涼しいのが人気
まずは街のバイク用品店へ。ご協力頂いたのはゆいレール牧志駅近くの「ヘルメットショップSEA(シー)」の比嘉洋介さんです。
─ヤールーヘルメットの人気はどうですか?
「幅広い年齢層から人気ですよ。ハーフキャップ型の商品売り上げ中、5~6割はこのヤールーヘルメットですね。当店では、年中売れている主力商品の一つです」
─どのあたりが評価されていると思いますか?
「まずは軽さですよね。そして暑い沖縄ではありがたいのが通気口。開閉可能なので、夏にも冬にも適応します。それに、カラーラインナップも豊富ですからね。年配の方からはブラウンのビンテージカラーが人気ですね」
お話から、高い人気の理由が伝わってきました。その人気から各店舗がメーカーと共同デザインした限定モデルもあるのだとか。
「限定モデルは、マッドブラックにゴールドのラインが入っているのがポイントです。これは当店でしか買えませんよ!」
沖縄の気候を意識
ヤールーヘルメットが沖縄で特に人気なのは単なる偶然なのでしょうか? 調査員はメーカーである大阪のTNK工業株式会社に電話をし、さらに詳しく調べることに。担当の田中稔晃さんにインタビューしました。
─沖縄から人気に火がついたと聞きました。
「圧倒的に沖縄での売れ行きが高いですね! 全国のヤールーヘルメット(型番は「STR─JT」)の半数以上は沖縄で売れていますね。でも実は、沖縄でのヒットを狙いすまして作ったヘルメットなんですよね」
─といいますと?
「当初から沖縄の気候を意識しました。ヤールーヘルメットという呼び名も俗称ではなくて、しっかりとわれわれで作ったネーミングなんですよ。沖縄の知り合いにヤモリが縁起が良い生き物と教えてもらい、名付けました」
―発売は2005年10月。開発の経緯は?
「沖縄のヘルメット事情を知ろうと、2時間ずっと久茂地交差点を眺めていたんですよ。するとみんな同じようなヘルメットをかぶっているんですよね。ハーフキャップでツバ付きの野球帽のようなものです。聞くと、軽くて涼しいものが求められていると。そこに、デザイン性がさらに高まれば受け入れられると思いました」
─確かに、県内のショップでも軽さと通気性の良さが人気の理由と話していました。
「重量は約800グラム。当時、通気性の良いハーフキャップでシールドが付いているものが少なかったんです。それが喜ばれたのだと思います。このヤールーのステッカーが品質の証。普通剥がされるんですけど、ステッカーをそのままにしている方が多いですね。ありがたいですよ」
最後に、 「沖縄の人のつながりの強さに助けられました。紹介や口コミが販売につながったと思います。みなさんに感謝です」と田中さんは話してくれました。
沖縄の街中でよく見かけるヤールーヘルメット。話を聞くと、沖縄の気候に適して作られた、浸透するべくして浸透したものでした!