「島ネタCHOSA班」2020年11月19日[No.1854]号
うるま市の海中道路へ向かって走っていたら、海沿いに顔から細長い手足が出ている不思議な像を数体発見しました。あれ、なんですか?
(那覇市 メルモちゃん)
海沿いに点在する不思議な像とは!?
顔から細長い手足が出ている像? なんのことやらさっぱり分かりませんが、まずはこの目で確かめるべく海中道路へ向かいました!
点在する像に導かれ
県道33号を金武湾向けに進むと県道37号に突き当たります。ここを右折すれば海中道路が左手に見えてくるので、不思議な像はこの辺りにあるのでしょうか? あっ、右折してすぐ左側にひょろ長〜い像が! よく見ると顔から両腕を上に伸ばし、笑顔で「◯」の形を作っています。調査員は「いらっしゃ〜い」と歓迎された気分になり、海中道路方面へ進んでいくと左側に2体発見。1体は三線を弾き、もう1体はカチャーシーを踊っているように見えます。足元には「交通安全」の文字。さらに進むと、また1体…。そのまま海中道路入り口を横目に、真っすぐ行くと今度は右側に1体。まるで「ここから曲がれ」と道案内されているかのようです。
う〜む…。調査員はスマホを取り出し、いろいろ調べてみました。すると、これらの像を作っている人はすぐ近くにいることが判明! その人はうるま市与那城屋慶名にある「不思議整体 うるまカイロ」の整体師・松野耕平さん。どうやら調査員は点在する像に導かれたようです。すぐに松野さんにアポイントを取り、後日おじゃますることに。
交通安全防止に貢献
「不思議整体 うるまカイロ」にやって来ました〜。駐車場や入り口付近、おまけに店内にもたくさんの像! さっそく松野さんにお話を伺いました。この像たちはなんでしょうか?
「キジムナーです。ここは2009年に開業したのですが、マスコット的なものがあるといいなと思い、ひまだったので作ってみました」。なぜ、キジムナーを? 「沖縄といえば『キジムナー』かなと思って」。ちなみにセメントとしっくいで作っているそうです。最初は店の前に置いていましたが、少しずつ道路沿いにも置くようになったとか。
「行方不明になることもあったので、ブロックに『交通安全』と書いて設置することにしました」。なるほど。その文字があることで、持っていく人が減るかもしれませんね。しかし、壊されることもよくあるらしく2年に1回ぐらいはまとめて修復するとのことでした。
「実はおばが子どものころ、キジムナーを見たことがあるそうです。手足が長くて、赤かったと言っていたのでそれを参考に作りました」
そうなんですか! ぜひ、調査員も本物のキジムナーを見てみたいです!
松野さんの作るキジムナーにはそれぞれ「きじポ〜」「きじモン」「きじプ〜」「きじピー」などの名前があります。「きじピー」はうるま警察署に寄贈したもので、14年には同署から地域の交通安全防止に貢献したということで感謝状も授与されました。
「キジムナーたちを見て楽しんでもらえたらうれしい」と話す松野さんは、「キジムナーがいると裕福になるといわれているので、本当にいたらいいな」と笑顔を見せました。
――帰り道、心地良い海風を受けながら「またキジムナーたちに会いに来よう」と思った調査員なのでした。