「島ネタCHOSA班」2021年07月01日[No.1886]号
南城市佐敷〜知念に、両側にヤシの木がたくさん生えている道がありますよね。あれって何本あるか数えてくれませんか?
(那覇市 ばーちーぐゎーさん)
「ヤシ並木ロード」の木は何本!?
面白い質問が来ましたな。かくいう調査員も、小さい頃何度数えてもわからなかったっけ。
佐敷から知念につながるこの一本道は「国道331号」。ヤシの木がたくさん並ぶ異国情緒あふれるドライブコースですよね。
ストレスケアカウンセラーでBTU沖縄中央教室教室長の玉城もえ子さんは、「母親が南城市久高島出身なので、毎年の旧盆は必ずこの道を通っていました。安座真港から出る船の時間に間に合うかハラハラしながら通った思い出の道です(笑)」と話します。
答えは現場に!?
さっそく現場でヤシの木を数えてみた調査員。「1、2、3…?」。
途中、何の木か分からないものも多く、なかなかうまく数えられません。この日こんなにヤシの木の道路を往復した人は調査員以外にいないのではと思ったぐらい、たくさん往復して数えたものの、ゲームオーバー。
後日、内閣府沖縄総合事務局に電話をすると、「この件なら」と管轄の南部国道事務所を紹介してくれました。回答は「およそ170本」。こんなにたくさんあるとは!
最後に改めてこの道路を往復してみると、面白いものを発見しました。それは〝ヤシ並木ロード〟という看板。いやはや、ちゃんと道路に名前がついていたなんて!
看板の設置場所は、新里交差点(佐敷)と守礼カントリークラブ入り口(知念)の2カ所。この2カ所が「ヤシ並木ロード」の両端とするならば、ロードの長さは全長約8㌔。今度、ヤシの木を見ながらサイクリングしたら楽しそう!
ヤシ並木ロード付近の人々
那覇青色申告会会長の神谷常直さんは「私は(南城市)玉城在住だからヤシ並木ロードは頻繁には通らないけど、外国に来た気分になるよね。本土や外国からお客さんがきたら、案内していますよ。伊集スーパーあたりはラッキョウ農家が多くて、昔は契約農家から毎日10㌔単位で5、6箱買っていたよ」と懐かしそうに笑います。
同申告会相談員の渡名喜一斗さんは「僕は知念に住んでいますが、中学校の時、ヤシ並木ロードにある久原(区)に遊びに行く時は、伊集スーパーに寄ってサンチュー(30円アイス)を買っていました」とニヤリ。
最後は「伊集スーパー」。ヤシ並木ロードを通って知念方面へ行く時に左手に見えます。調査員も幼少の頃、知念に海水浴へ行く時は父親に「この先はお店ないから、好きなもの買いなさい」と言われ、あんパンなどたくさん買ったお店です。
「ヤシの木は毎日見てるから、当たり前すぎて何も感じないさぁ。海にも行かないよ〜」と、柔らかい笑顔で迎えてくれたのは、店長の伊集盛浩さん。父親が始めたこの店は創業45年ぐらいで、現在は兄が2代目のオーナーを務めます。3人兄弟と奥様方で家族経営しており、地域の人が年齢問わず買いに来てくれるとか。
スタッフが直接切り盛りする精肉・鮮魚コーナーのほか、日替わり弁当、飲み物、祝儀袋・香典袋、日用品などがあり、日常生活のちょっとしたものは全てそろいそう! 段ボールからそのまま販売されている飲み物、闘牛大会のDVDはユニーク。
「コンビニに誘われた時もあったけど、24時間営業はなかなか。でも店のレジに現金が足りなくなった時はコンビニのATMをよく使うよ〜」と伊集さん。
「ヤシ並木ロード」は人々の日常と非日常と共にあることを改めて実感した調査でした。