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[No.1932]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2022年05月19日[No.1932]号



平和通りに「日々草(にちにちそう)」という桑の葉ケーキが名物のユニークなケーキ屋さんがあるのですが、行ってみてくれませんか?店主がゆんたく好きでとっても面白いんですよ。

(40代男性匿名)

桑の葉ケーキとユンタクが名物のお店!?

 ほー! これは面白そう。さっそく行ってみますかー!

オレンジが目印

 地図を広げてみると、お店は那覇市の平和通りと市場本通りを横切る通り沿い、通称「パラソル通り」の出入り口付近にあり、オレンジが目印です。

 閉店間際の夜7時。お店に行ってみると、社長の下地秀樹さんと製造担当の妻・啓子さんがお出迎えしてくれました。店内には女性客が1人。北海道から沖縄に来た観光客、小山海里さん。今日が初日で、来沖は10年ぶり3回目だとか。「これも一つのご縁さ~。あんたも取材一緒に受けなさい。はい、これ今日のギャラ代わり」。社長の秀樹さんが女性にシークヮーサージュースを手渡すと、みんな大笑い。

 「たまたまお店の前を通ったら、桑の葉のケーキがおいしそうだったからお店に入ったんです。おいしかったですよ~」(小山さん)。

 店内には「紅芋チーズケーキ」「かぼちゃケーキ」「濃厚チーズケーキ」と、ケーキやドリンクのメニューがズラリ。桑の葉の粉末や桑の実を使った料理やスイーツを競う「桑っちーグランプリ」(浦添商工会議所主催)で、平成27年準グランプリを受賞したケーキも!

お客と遊ぶ心地で

 見事受賞したケーキは、桑の葉の粉末を使った「桑の葉とアボカドのチーズケーキ」。一口食べてみると、濃厚な大人の味でびっくり!

 「桑の葉の粉末って、そのまま食べるとクセがあって私はあまりおいしくなかったの。だから息子が居酒屋で食べておいしかったと話していたアボカドを入れて、私の好物のチーズも加えたんです。主人が急にグランプリに応募すると言うから、1カ月で大急ぎでレシピを考案して作ったものです(笑)」と、啓子さん。

 「グランプリもだけど、お店を持つのは予想外だよね」と話す下地夫妻。「子どもがまだ学生だったから、最初はこづかい稼ぎ。好きで通っていた北谷のフリーマーケットにスイーツが売られているのを思い出し、私たちもそこでプリン販売を始めたんです。最初は断られたのですが、3倍の料金を出してどうにかテナントを借りて。指定された場所は一番奥の端っこだったので『もう次はない』と思って大声で売ったら、意外と売れた(笑)。私たちは13年前に50個のプリンからはじまったんです」と秀樹さん。

 客から「ウチにも売りに来て~」と要望があり、那覇の道路沿いの一角で販売したら、今度は別の客からイベント出店の誘いをもらって販売。

 「たまたま平和通りを散歩していたら、イベントで知人と会ってこの近辺の空き店舗を教えてもらったんです。テークアウト専門店をやったり、間借りしていましたが、この店舗に落ち着きました。15~20組待ちの人気店舗枠だったのですが、家主さんが『ぜひ下地さんに』と選んでくれて。皆さんのおかげです。今まで本当に長かった」と、秀樹さんは涙ぐみます。

 昨年9月にオープンしたこちらのお店は、下地夫妻にとって第二の人生。

 「日々草」と店名を命名したのは花が好きな啓子さん。「日々草はどこにでも咲いているでしょう? 派手ではないけど、放っておいても勝手に咲くし、強い」。

 「私は商売をやっている心地はない。客と話して遊んでいるだけ。だから趣味。女房にとっては居場所かなぁ。妻がいなかったらここまで来れなかった。本当に感謝しています」(秀樹さん)。

 今日も日々草は強く元気に華を咲かせます―。



手作り焼きお菓子「日々草」

那覇市牧志3丁目3-2
電話:090-3792-8674


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