「島ネタCHOSA班」2022年06月02日[No.1934]号
友人から、コーレーグースをボトルキープできる沖縄そば屋さんがあると聞きました。興味があるので、ぜひ調査お願いします!
(北谷町 すば星人)
コーレーグースをボトルキープ!?
島トウガラシを泡盛に漬け込んだコーレーグース。もちろん調査員も大好きですよ。あのピリッとした風味を想像するだけで、沖縄そばが食べたくなっちゃいますよね。しかし、ボトルキープとは一体…。
自分だけの味作れる
調べてみると、ボトルキープができるお店さんは読谷村喜名の沖縄そば専門店「まいにち食堂」だと判明。さっそく調査員は現地へと向かいます。
出迎えてくれたのは、店主の伊波和晃(かずあき)さんと妻の真理子さん。ブラウンを基調としたあたたかみのある雰囲気の店内を見渡してみると…。その一角に、コーレーグースの瓶がたくさん並ぶ棚がありました! これがコーレーグースのボトルキープでしょうか!?
「はい。お客さんがオリジナルのコーレーグースを作れます。一つ一つ、風味が違うんですよ」と和晃さん。試しにちょっとふたを開け、香りを確かめさせてもらうと…。あっ、確かにはっきりと違いが分かります! 「片方には山椒(サンショウ)が入っていますから、香りの違いが際立っています」。えっ、コーレーグースに山椒!?よく見ると、瓶の中には、椎茸(シイタケ)や昆布がぎっしり入っているものも!
聞けば、お酒の種類、辛さを選べるのはもちろん、山椒、胡椒(コショウ)、昆布、椎茸を入れるかどうかも、お客さんが自由に選ぶことができるそう。
お酒も、泡盛(3種類)はもちろん、芋焼酎、ウイスキーを含めた全5種類から選択可。芋焼酎、ウイスキーを使うというのもすごい発想です!
沖縄そばの文化守りたい
マイボトルのサービスを始めたのは20年の春ごろ。「いろんなお酒でコーレーグースを作ってみて、お酒が違うと味が違ってくることに気が付きました。これで何か面白いことができそうだな、と」と和晃さんは振り返ります。
「お酒はうまみのかたまり。だしを入れるとさらにうまみが増します。辛さにもいろんな種類があるので、島トウガラシのほか、胡椒、山椒を選べるようにしました」。昆布や椎茸、胡椒を加えることで、さらに複雑なうまみと味わいが生まれるのだそう。う~ん、話を聞いているだけでおなかがすいてきますね(笑)。
お客さんのオーダー通りの材料を瓶に入れ、1カ月寝かせると完成。料金は1本千円、1年間キープできます。なお、瓶の持ち帰りはできません。
「常連さんには2本、3本と作ってくださる方も。お知り合いにマイボトルを勧める方もいらっしゃいますね」と和晃さん。マイボトルが、他のお店にも広まっていってくれれば、と話します。
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「沖縄そばの文化を守りつつ、洗練させたい」という思いから、2017年にまいにち食堂をオープンさせた和晃さんと真理子さん。おいしいそばを作るため、毎朝3~4時から仕込みに励んでいるそうです。
戦後の貧しい状況の中で、ゆでた麺に油をまぶして保存するという方法を生み出した沖縄そば。偶然生まれたゆで麺の文化を守りたいと思いから、同店では生麺は使っていないのだそう。
スープの塩分を人体と同じ濃度に抑え、その分だしをたっぷり使って丁寧にうまみを抽出しているのも、まいにち食堂の特徴。沖縄そばへの意気込みや追求が、マイボトルの工夫にもつながっているのですね。
「お店で使うやちむんが欠けたら、漆で接着して修理します。そのまま捨ててしまうのは心が痛くて」と真理子さん。沖縄そばを食べる器への愛情もたっぷりです。
皆さんも、ぜひ愛情のたっぷりこもった沖縄そばを、オリジナルのコーレーグースで召し上がってみては?
まいにち食堂
読谷村喜名390 コーポすず風1F
☎︎098-958-7250
営業時間=11時半~15時半LO(売り切れ次第終了)、木曜・金曜定休