「島ネタCHOSA班」2022年07月07日[No.1939]号
知り合いから、子どもの描いた絵を洋服に仕立ててくれるお店があると聞きました。詳しく知りたいので、ぜひ調査お願いします。
(沖縄市 にゃんここにゃんこ)
子どもの絵がお洋服に変身!?
子どもが描いた絵を洋服に仕立ててくれるお店ですか。子どもの絵って、独特の世界観があって見ていて面白いんですよね。調べてみると、宜野湾市大山の洋品店「dreami(ドリーミ)」で取り扱っている「キッズお絵かきお洋服」というサービスだと判明。さっそく調査員はお話を聞きにお店へと向かいました。
きっかけは娘の絵
出迎えてくれたのは店主の田中みどりさん。服飾系の大学を卒業してからこの道一筋。出産や育児の期間も挟みながら、2016年に洋品店dreamiをオープンしました。
キッズお絵かきお洋服のサービスを開始したのはその1年後。「きっかけは娘が絵をプレゼントしてくれたことです」と田中さん。娘さんから贈られた大量の絵を捨てるのも心苦しく、どうにかして残せないか考えたとき、これを服にしようと思ったのが始まりだったと振り返ります。
「卒園式に着せていったら先生たちも気づいてくれて。娘がみんなに囲まれている様子を見て、商品化してみようと思いました」
製作は完全オーダーメード。絵をスキャンしてパソコンに取り込み、生地のパターンをデザイン。工場にパターンを印刷してもらった生地を服に仕立てます。絵は何枚かを持ってきてもらい、そこから載せたいものをピックアップ。服の形、色調や模様の位置など、そのほとんどをお客さんと相談して決定するとのこと。デザインが決まってから一着仕上げるまでの期間は、長く見積もって1~2カ月ほど。「子ども服はスピード勝負。成長が早いし、子どもが絵を描いたことを忘れてしまうから」と語ります。
今だけの感性光る
「これが、これまでに作ったお絵かきお洋服の生地です」と田中さんが見せてくれた生地には、ユニークな絵がたくさん!どれも子ども特有の不思議なタッチで描かれていて、見ているだけで思わず笑みがこぼれる調査員。
「不思議な動物とか、独特の色使いとか。小学生ぐらいになると世界観が変わって描けなくなっちゃうので、その時の感性を大切にしたい」と田中さんは語ります。
小さくて絵が描けない子は、手形や足形のペイントでも作れるそう。手足の大きさは原寸サイズを使うので、その当時の手足の大きさをそのまま残せると言います。「お母さん、お父さんとの合作で、子どもの手形に目やくちばしを描き足して鳥のようにしたものも過去にはありました」
その他にも手書きの文字や写真がプリントされている生地もあり、お客さんの要望にできるだけ応えるようにしていると言います。
子どもは成長が早く同じ服を着られる期間は短いから、わきの縫いしろを広くとって、できるだけ長く着られるようにしているのも田中さんの工夫。「女の子の場合、スカートのかたち(生地)をわざと大きくとり、希望があればカーテンやクッションカバーに作り直せるようにしています」。なるほど、そうやって子ども服ならではの悩みにも対処しているのですね。
「お子さんの思い出の品としてだけでなく、結婚式にお呼ばれしたときに家族や親戚でおそろいにするなど、面白いお洋服の着方を活用してほしいなと思う。使い捨てじゃなくて、楽しい気持ちでずっと持っていられるものを作れたら」と田中さんは話してくれました。
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子どもの感性を大切にしたいという思いから生まれたキッズお絵かきお洋服。それは、着る人はもちろん、見た人にとっても楽しい気持ちが伝わるるような魅力の詰まったお洋服でした。dreami
沖縄県宜野湾市大山4ー4ー6
TEL.050ー1527ー8087
営業時間11時~18時(要事前予約)
毎月第2日曜はShop day