「島ネタCHOSA班」2022年07月28日[No.1942]号
最近は自動販売機でいろいろ買えるようになり、種類も台数も増えているように思います。珍しい商品を販売するなどの最新情報を教えてください。
(宜野湾市 スイーツ自販機あるといいな)
ナマケモノのための無人販売店!?
いろいろな物が買える自動販売機が増えていますね。4月4日付の島ネタCHOSA班でリポートしたように奥武島には海産物の自販機がありますし、調査員が最近見た中には明太子やだし汁の自販機も。他にないかと調べていると、人気店のメニューを購入できる浦添市の無人販売店の情報をキャッチしました。
人気店のメニューを集結
早速行こうと現地に向かった調査員。大平インターチェンジ近くで「無人販売」という看板を発見しました。店名は「ナ マケモノストアー」と、なかなかユニーク。中に入るとギョーザやジャークチキンなど、冷蔵・冷凍食品がショーケースに ずらり! どれも本格的な料理です。
「店名通り、僕もナマケモノなんですよ」と笑顔で対応してくれたのが、店長の伊波幸兵さん。気になる利用方法は「券売機でお目当ての商品を購入して、ショーケースから取るだけです」とのこと。簡単ですね。伊波さんは2軒隣にある「炭火焼鳥 ゆくる」のオーナーで、テナント募集中だった空間を活用したいと、トラック販売「tototola(トトトラ)」を手掛ける「三代目池田屋」の瑞慶覧宏至さんに相談したそう。
「コロナ禍でテイクアウト商品を作り始めた飲食店は多いですが、店舗のみからトラックも加えることで販路が広がる と思い、去年5月にトトトラを始めました」と話す瑞慶覧さん。「飲食店と人とトラックをつなぐこと」をコンセプトにし たトトトラは、県内飲食店の人気メニューをトラックに積み南部から中部を巡回販売する方式。「コロナ禍の厳しい状況の 中、トトトラで焼鳥を販売させてもらい本当に助かりました」と伊波さんは振り返ります。
次の展開として二人は移動販売のノウハウを生かした店舗作りを画策。準備を整え、先月、無人販売店「ナマケモノス トアー」をオープンしました。
二人のアイデアによるこのお店は、24時間営業で年中無休。店名の由来は「怠けて楽をしてください」という思いから。
「ここに来ればいつでも買い物ができます。台風シーズンに喜ばれるかもしれませんね」、「アルゼンチン料理もありますし、普段作らないような料理をご自宅で味わっていただきたいです」など、アピールする瑞慶覧さんと伊波さん。遠方の人気店のメニューが購入できることも魅力です。伊波さんのお店の「炭火焼鳥」、瑞慶覧さんのお店の「国産島豆腐」ももちろん購入できますよ。品数も豊富でスイーツやコーヒーなどもあり、一日の献立が成り立つのでは!?と思えるほど。20軒のお店から53点の商品を集めて販売していました。
地域や社会に役立つ店に
店頭には農家から譲り受けた廃棄寸前の野菜を並べることもあり、なんと無料提供しているそうです。
「SDGsの観点から、フードロスの削減を目標に始めたサービスです」(瑞慶覧さん)、「廃棄寸前といってもおいしく 食べられます。ぜひ持ち帰ってください」(伊波さん)。ゆくゆくは「子ども食堂」を開設し地域に貢献したいと目を輝かせます。
県内初の「フード系無人販売店」として注目されそうなナマケモノストアーですが、無人運営だからこそ、利用者目線を大切にしていると思えました。精算は最新機器を使わず、昔ながらの食券システムにしたのも、温かみを出したいからとのこと。
「自分の時間を少しでも増やすために利用してください。おいしい料理を楽しんだら、実際の店舗も訪ねてくださいね」と二人からメッセージ。「はい、行きます」と返事をし、お店を後にした調査員でした。
ナマケモノストアー
浦添市仲間1-5-3
駐車場:あり
Instagram:@namakemonostore
※日中は併設事務所、夕方以降は「炭火焼鳥 ゆくる」スタッフ在勤時の声掛け可