沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1960]

  • (月)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2022年12月01日[No.1960]号



 先日「サンタのお家(うち)」の看板を見つけました! 学生服のリサ イクルをしているお店のようです。お店のキャラクターもサンタクロー スでした。気になるので調べてください。

(宜野湾市 神宮ベルさん)

首里に「サンタのお家」!?

 クリスマス特集号にぴった りな依頼です。さっそく那覇 市首里石嶺町にあるという「学 生服のリサイクル サンタのお 家」を訪ねてみました。店内に 入ると学生服が所狭しと並ん でいます。上着やシャツ、スカ ート、ズボンの他、ネクタイや リボンなどもあります。

協力者みんながサンタ

 出迎えてくれたのは代表の 照喜名小百合さん。もともと 那覇市天久で社会貢献型リサ イクルショップを運営してい ましたが、2年前に現在の場 所に移転。学生服の需要が高 く、中古学生服のみの買い取りと販売を続けているそうで す。以前は、店舗に持ち込まれ た品物のネットオークション 出品代行を手掛けていた同店。 落札価格の3割を寄付しても らい、制服やランドセルなど を必要な人にプレゼントする ための購入に充てていたとい います。

 「持ってきてくれた人みんな がサンタクロースという意味 を込めて『サンタのお家』とい う店名にしました。現在の形 態になっても、協力してくれ る人がいるからこそ成り立っ ているので、名前もそのまま 残しています」

 同店で取り扱っているのは、 主に中学・高校の制服。不要 になった学制服を販売価格の 約1割で買い取り、安価で提 供しています。販売価格は服の状態と在庫によって変わる そうで、3千円〜5千円で販 売している学ランの場合、3 00円〜500円で買い取り しています。

 ここには何着ぐらい置いて あるのですか。

 「実は店頭にあるのと同じ量 の制服が、後ろにもあるんで す。表には4千着近くあるの で、在庫も合わせると合計8 千着くらいあります」

他店との連携も

 扱っているのは本島内の学 校の制服。メインは那覇市内 の学校だといいます。在庫が 多いものや同店で取り扱って いない中部以北の学校制服は 買い取りをしていないそうで すが、「その場合は寄付として 預かり、他店に持っていった りしています」

 県内には他にも制服のリサ イクル店があるんですね。

 「希望の制服の在庫がないも のは、他店を紹介するなど、連 携を取っています」という照 喜名さん。学生服をリユースする店舗は他にもあり、「学生 服リユース子ども応援団 笑 (わら)びん」(沖縄市)、「学生 服リユースリサイクル ゆいま ぁる」(浦添市)、「学生服リサ イクル 大和商会」(那覇市)な どとは一緒にプロジェクトに 参加しているといいます。

 どんな人が制服を売りに来 るのでしょうか?

 「譲る人がいないからと卒業 後に持ってきてくれる人が多 いです。サイズが合わなくな ったというという人もいます ね。SDGs(持続可能な開発 目標)の効果なのかは分からないですが、学生たちは以前 よりリサイクルを着ることに 抵抗がなくなってきていると 感じます。学生服の品質はす ごく良いので、3年以上でも 問題なく着られますから」

 新品で学生服を購入する場 合の相場は、1セットで約5 万円。洗い替えもそろえると、 倍近くかかるといいます。学 校指定のジャージや靴なども 加えるとさらに費用が増しま す。「その一部でも安くなれば という思いです。中学と高校 の入学がかぶる家庭も結構い ます。双子、三つ子などがいる 人たちにも『助かる』と言われ ますね」

 制服の再利用という選択肢 があることを知った調査員。 役目を終えた制服を必要な人 につなげるお店はまさに「サ ンタのお家」でした。





サンタのお家
那覇市首里石嶺3-30-10
TEL:098-943-8630
営業時間:10:00~17:00
定休日:日曜・祝日・第3火曜
https://santa.okinawa/
※月により営業時間の変更あり
・・・・・
「沖縄アウトレットモールあしびなー」
と同店を含む4店舗が提携し「まわる制服プロジェクト」を実施中(12月31日(土)まで)

このエントリーをはてなブックマークに追加


首里に「サンタのお家」!?
学校ごとに制服が整理さ れている店内。クリスマス ツリーやリースなど、一年 中クリスマスの飾り付け が施されています
首里に「サンタのお家」!?
代表の照喜名 小百合さん
首里に「サンタのお家」!?
ネクタイやリボン なども並びます
首里に「サンタのお家」!?
ネクタイやリボン なども並びます
>> [No.1960]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>