「島ネタCHOSA班」2023年03月16日[No.1975]号
那覇市泉崎の県立図書館で、明治・大正・昭和の歴史的音源を聞くことができるサー ビスを3月15日に開始する―。そんな情報をキャッチした調査員。多様なジャンルの豊 富な音源の中には、1930年~50年代の琉球民謡・八重山民謡も含まれているとのこ と。「これはぜひ調査せねば!」と、調査員は県立図書館へと向かいました。
県立図書館で明治・大正・昭和の音源が聞ける!?
2018年 12 月に開館した 県立図書館。ゆいレール旭橋 駅・バスターミナルと直結し た複合施設「カフーナ旭橋」の 3〜6階(一般利用は5階ま で)に入居し、昨年 11 月時点で 約 94 万1千冊の書籍を所蔵。 そのうち約 33 万6千冊が郷土 資料で、これは琉球・沖縄関 連の資料を収める施設として 最大なのだとか。
約5万点の音源が聞ける
調査員が向かったのは、4 階のサービスカウンター。資 料班主査・上原明香(さやか) さんと主任の磯ケ谷真依(ま より)さんが出迎えてくれま した。案内されたのは、AVブ ース。おや、県立図書館にこん な場所があったとは…。
簡単に仕切られた座席をの ぞくと、ノートPCとヘッド ホンがセットされており、画 面には「国立国会図書館 歴史 的音源(通称れきおん)」のホ ームページが表示されていま した。なるほど、これを使って 歴史的音源が聞けるのですね。
まずはざっとホームページ を見させてもらうと…。民謡、 歌謡曲、邦楽、クラシックなど の音楽、さらに落語・漫才、演 劇・演芸、講演・演説と、幅広 いジャンルの音源へのリンク が並んでいます。
「こちらは、歴史的音盤アー カイブ推進協議会(HiRA C)がSP盤レコードをデジタ ル化した約5万点の音源を、 国立国会図書館および配信提 供参加館で聞くことができる サービスです」と磯ケ谷さん。S P盤とは、現在のLPレコー ドが登場する前のレコードの こと。日本では1900年代 〜 50 年代ごろ製造されており、 その頃の音源を聞くことがで きるというわけです。
「国立国会図書館が、全国の 配信参加館に配信を行ってい ます。沖縄では県立図書館が 初の参加館として、 15 日から サービスを開始します」
収録音源数は、なんと約5 万点! うち約6千点はインタ ーネットで一般公開されてお り、ネット環境があれば誰で も自由に聞くことができます。 残りの音源は図書館内に限っ ての公開となっています。
沖縄関連の視聴覚資料も
歴史的音源の中には、沖縄 音楽も。沖縄音楽のSPレコ ードが初めて発売されたのは 1915年。以降、 50 年代ごろ までに発売されたSPレコー ドの音源160点以上が収め られています。これは貴重で すね! 現在、れきおんのホー ムページには、高知大学の高 橋美樹教授によるれきおん内 の沖縄音楽の紹介記事が掲載 されているので、興味のある 方はそちらをご参照ください (「れきおん」で検索)。
「沖縄関係以外では、政治家 や文化人など、歴史的人物の 肉声が聞けるのも面白いです よ」と磯ケ谷さん。例えば、一 昨年のNHK大河ドラマの主 人公となった日本資本主義の 父・渋沢栄一や、歌人の与謝 野晶子の声なども聞けます。 うーん、面白い!
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さらに…。県立図書館の「放 送ライブラリー視聴サービス」 では、沖縄関係のテレビ・ラ ジオ番組も館内視聴可能。現 在、1969年のニュース番 組や、 80 年代以降の重要なド キュメンタリー番組など 45 本 を公開(番組は随時更新)して います。
「番組を視聴して、気になる テーマがあったら、関連書を 探してみるのもいいですよ」 と上原さん。
「図書館は、本の貸し出しに 加え、さまざまな情報を発信 する知の拠点でもあります。 歴史的音源やテレビ・ラジオ 番組を知るきっかけにして、 ワクワクしながら楽しんでい ただければ」。司書さんなど図 書館スタッフも資料探しのサ ポートができるので、気軽に 声をかけてほしい、と上原さ んは呼びかけます。
次の週末、図書館に出掛け てみたくなった調査員でした。
歴史的音源、放送ライブラリーの視聴は4階サービスカウンターで受付。
開館時間9〜20時、火曜定休