「島ネタCHOSA班」2024年05月09日[No.2035]号
明日、5月10日は語呂合わせで「黒糖の日」です。しかし、その製造方法 や上白糖(白砂糖)との違いなど、知らないことが多いことに気付いた調査 員。来たる黒糖の日に備え、調査してきました!
意外と知らない沖縄黒糖のあれこれ
黒糖について調べるため調 査員が向かったのは、那覇市 古波蔵にある沖縄県黒砂糖 協同組合。扉を叩くと、同組 合の宇良勇さんと伊地秀明 さんが迎えてくれました。
八島でのみ作られる黒糖⁉
さっそくですが黒糖はどの ように作られているのでしょう か?
「さとうきびの搾り汁をろ 過した後、煮詰めて濃縮・攪 拌(かくはん)し、冷やし固め たものが『黒糖』です」と宇 良さん。このとき、ろ過した さとうきびの搾り汁から糖蜜 を取り除き、精製すると上白 糖やグラニュー糖になるのだと いいます。糖蜜を含む黒糖は 上白糖と比べてカルシウムや カリウムといったミネラルが豊 富に含まれているんですって! 「黒糖=体に良 い」というイメー ジはそういった 理由が関係して いるんですね。
ちなみに黒糖 には消費者庁が 定めた定義があ り、さとうきび の搾り汁のみを煮詰め、固め たものが「黒糖」。黒糖に粗糖 (白砂糖の原料)や糖蜜など を混合・加工した「加工黒 糖」。黒糖を使用せず、粗糖 や糖蜜を混合したものが「加 工糖」とされています。その 中でも、同組合では伊平屋島、 伊江島、粟国島、多良間島、 小浜島、西表島、波照間島、 与那国島の八島でそれぞれ製 造された黒糖を「沖縄黒糖」 として販売。土壌や気候はも ちろん、島によってさとうき びの品種も異なるといいます。
「当然、形や風味にも個性 が出ます。お好みの黒糖を探 してみてください」と伊地さ んは笑顔で話してくれました。
SDGsにもつながる
「さとうきびはエコな植物」 だという宇良さん。「生育して いるさとうきびは二酸化炭素 を吸収し、搾りかす(バガス) はボイラーの燃料になり、沈 殿・ろ過によって出た不純物 は畑に散布し肥料にするな ど、余すことなくリサイクル できるんです」。それだけで なく、沖縄黒糖は離島で暮ら す農家や工場で働く職員た ちの収入源ともなっています。
「黒糖によって生活が守ら れていることをより多くの人 に知ってほしいです」と宇良 さんは語ります。
最後に、黒糖の日に向けて PRをお願いしました。
「歴史ある産業ですので、 これを継続していくためには 県民のみなさんが生活の中に 黒糖を利用していただくのが 一番です。よろしくお願いしま す」(宇良)
「離島の産業を守っているの が黒糖です。私たち若い世代 が率先して黒糖を活用するこ とで、次の世代にも沖縄黒糖 を伝えていきたい」(伊地)
さとうきびの刈り入れから 出荷の時期は毎年 12 月〜3 月。黒糖の日には「新糖」と 呼ばれる、その年に収穫され たさとうきびを使った黒糖が 並ぶといいます。
「『新糖』はできたてという こともあり、香り高く深い味 わいになっています」と伊地さ んは太鼓判を押します。さっ そく明日は黒糖を買いに行こ うと思った調査員でした。
5月10日は黒糖の日
場所=サンエー浦添西海岸 パルコシティ 1Fマーケットプラザ
時間=10:00~18:00