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[No.2036]

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「島ネタCHOSA班」2024年05月16日[No.2036]号



 休日に北部のイベントで「タイガーナッツ」を使った商品を見つけた調 査員。国頭村で栽培されている「スーパーフード」とのこと。後日調査を しに行ってきました。

国頭村で「スーパーフード」を栽培!?

 栄養価が高く、美容や健康 に良いと話題の「スーパーフー ド」。そんなスーパーフードの一 つ「タイガーナッツ」が国頭村 で栽培されていると知り、調 査を始めた調査員。栽培・加 工・販売をしているナチュラル セレクション合同会社にたどり 着くと、社長のオグベヒ・トー チさんとビジネスパートナー の仲原美登子さんが出迎え てくれました。併設のカフェ 「AFRO×JAM(アフロ ジャム)」でタイガーナッツミル クバナナスムージーを頂きなが ら話を伺いました。

ナイジェリアではおやつ

 「タイガーナッツは木の実(ナッツ)じゃないよ」と話すの はトーチさん。「実は野菜の 仲間で根菜なんです」と仲原 さんが続けます。北アフリカ 原産で、多年草の茎「食用ガ ヤツリ」の茎が膨らんだもの だそう。

 実際に植えられているタイ ガーナッツを見せてもらうと、 見た目は雑草です。引き抜く と小さなジャガイモのような 塊がたくさんついています。こ こでは無農薬で育てられたタ イガーナッツを水で洗浄し、 3カ月ほど乾燥させてそのま ま食べるといいます。一つ頂いて みると、硬い繊維質のような 食感。かみしめていくと徐々に 柔らかくなっていき、自然な 甘みが口の中に広がります。

 栽培に取り組み始めたきっ かけはあるテレビ番組。日本 人ファッションモデルが美容と 健康のために食べていると紹 介していました。トーチさん にとっては、小さい頃から親し みのあるおやつのようなもので した。日本で知られていないこ とに驚き、ナイジェリアにいる お兄さんに送ってもらい、仲原 さんに紹介したといいます。

 沖縄でも育つのか試してみ ようと、土や堆肥、肥料、飼 料などの配合を変えた 20 個 以上のプランターを用意して 研究を始めました。その中で 一番適していたのは砂地でし た。それから畑を借り、約1 年間かけて土を改良。201 7年から植え付けを本格的に 始めたそうです。

沖縄での栽培に成功

 初めて収穫したタイガー ナッツを食べてみると、ナイ ジェリア産と比べ甘みも少な く味が全然違っていたそうで す。そこからまた研究の日々。 乾燥方法などを変えること で、ナイジェリア産と遜色が ないくらい甘くておいしいタイ ガーナッツになったそうです。 栽培に自信が付いた後は、少 しずつ畑を拡大。約1500 坪まで面積を広げました。収 穫までは約4カ月かかり、年 2回の栽培が可能だそう。

 タイガーナッツのパウダーを 使ったグラノーラやちんすこ うなども商品化。購入者の意 見を参考に、仲原さんが商品 開発にこぎつけました。併設 のカフェではタイガーナッツの ミルクを使ったスムージーも楽 しめます。

 現在は、生産効率を高め るためにトラクターの導入を 目指しているという同社。導 入すれば、2〜3カ月かかる 収穫期間を3日に短縮でき るそうです。「協力農家さん などもできたらありがたい」 と仲原さんは今後に期待し ます。タイガーナッツの商品 は、北部の道の駅をはじめ県 内約 10 カ所で販売されている 他、ネット販売もしているそ う。食べてみたい方はぜひチェ ックしてみてください。

“国頭村で「スーパーフード」を栽培!?"

ナチュラルセレクション
国頭郡国頭村奥間2040-55
TEL 0980-43-9992



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“国頭村で「スーパーフード」を栽培!?"
オグベヒ・トーチさん(左)と 仲原美登子さん
“国頭村で「スーパーフード」を栽培!?"
畑で採れたタイ ガーナッツ(左)と 乾燥させたもの (提供写真)
“国頭村で「スーパーフード」を栽培!?"
タイガーナッツのパウ ダー入りのグラノーラ (右)とちんすこう。国頭 村のふるさと納税の返 礼品としても登録され ています
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