「島ネタCHOSA班」2024年06月06日[No.2039]号
沖縄市に「ヒストリート」という展示館があるのを知っていますか?貴 重な歴史的資料から懐かしのグッズまでいろいろそろっていて面白いの で調査してみてください!
沖縄市の歴史詰まった文化資料展示館!?
ヒストリー(歴史)とスト リート(通り)を組み合わせ た名前がオシャレでかっこいい ですね。調べてみると、正式 名称は「沖縄市戦後文化資 料展示館ヒストリート」。沖 縄市の戦後史に焦点を当てた 展示館とのことでした。さっ そく調査員は同館のある沖 縄市中央へと向かいました。
沖縄市が運営
調査員を出迎えてくれたの は、沖縄市役所総務部総務 課 市史編集担当の伊佐真一 朗さん。聞くと、同館は沖縄 市が運営している施設だと教 えてくれました。
「市史編集事業では沖縄市 の歴史を伝えるいろんな情報 や資料が集まりますので、こ れらをまちづくりに生かして いくことを目的として20 05年にオープンしました」
当初は中央パークアベニュー のパルミラ通り沿いにあった同 館。 18 年に現在の場所に移転 したのですが、そこにはこん なこだわりが……。
「『コザ暴動』の現場がほと んど目の前なんです。市内に 基地があって、その周辺に住 んでいる人たちとの関わりの 中で衝突しながらも文化が生 まれていく。ここは、そういっ た戦後のさまざまな風景が生 まれてきた場所なんです」
同館には、後に合併し沖縄 市となるコザ市や美里村にま つわる行政資料をはじめ、当 時の貴重な写真や、食器やお もちゃといった生活必需品な どが所狭しと展示されていま す。その中には沖縄市に住ん でいる人たちの寄贈品も数多 くあるといいます。
市民の記憶をつなぐ
数ある展示の中で伊佐さん イチオシは、戦後の生活用品 を展示している一角。米軍製 酸素ボンベの半鐘やジュラルミ ン製品が並びます。
「これらは米軍の備品なん です。戦争で何もかも失って、 生き残っていくためにはある ものを使って生活を再建させ ていく。ジュラルミンは本来、 飛行機などに用いられるアル ミ合金。戦後、大量に廃棄さ れていた戦闘機や戦車 を切り刻んで、砂など で作った鋳型(いがた) にアルミを流して自分 たちが使う製品に作り 直していた。生活に必 要な道具を作るのが戦 後の復興のスタートだっ たんです」と伊佐さん。展示 しているジュラルミン製の鍋や ヤカンはいずれも本物。その ため「私も昔これを使ってい たよ」と声をかける人も少な くないといいます。
「市民の記憶・歩みが詰ま ったヒストリート。ここに来 ることで、さらにいろんな思 い出が集まっていく。すると今 まで分からなかった沖縄市の ことを知ることができるよう になります。『私たちの街って どんな場所で、これからどん なふうに作っていくんだろ う?』と考えられる場にした いと思っています」
現在は常設展のほか、2階 企画展示室で特別企画展「沖 縄市のあゆみPart1『沖 縄市誕生』」を開催中。普段 目にすることのできない貴重 な資料を展示しています。
沖縄市の歴史がたっぷり詰 まった文化資料展示館は、市 民の記憶が交錯する交差点の ような場所でした。
沖縄市戦後文化資料展示館
ヒストリート
沖縄市中央2-2-1(タサトビル1・2階)
入場無料
営業時間=火曜~日曜 10:00~18:00
定休日=月曜、祝日、慰霊の日、年末年始
TEL 098-929-2922