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[No.2054]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2024年09月19日[No.2054]号



 今では見かけなくなりましたが、昔は飲食店などに無料のマッチが置いてありま した。県内で収集されたマッチを「レトロマッチ」として楽しむ本が出版されたみた いですよ。どんな本なの? 調べてみてください。

( 沖縄市 タコパン)

県内の“レトロマッチ”を本で紹介!

 マッチですか、最後に使った のはいつだったかな〜。少し調 べると、依頼のあった本は先 月発売されたばかりの『沖縄 レトロマッチの世界』(ぎすじ みち写真・文、ボーダーイン ク)だということがわかりま した。

 本を手に入れてめくってみ ると…。あっ、なんだか懐かし い雰囲気。バーやホテル、ビヤレ ストランの店名がデザインさ れたマッチ箱の写真が並んで いました。銀行や保険会社の 広告が載っているものもあり ますね。

コレクションとの出合い

 本の著者はデザイナーのぎ すじみちさん。県内のレトロ な物や風景を 収集・記録し ています。これ までに「ノスタ ルジックシリー ズ」として写真 集を2冊出版 しているんで すよ。まずは レトロマッチとの出合いを聞 きました。

 「約1年前、友人が『ネット の出品サイトですごいものが 手に入ったのでぜひ見てほし い』と出してきたのが、ブリキ の箱いっぱいに詰められたマッ チのコレクションでした」

 そう話すぎすじさん。マッ チは全て県内の店舗や会社 のもので、計144個。遺品 整理として出品されていたそ うで、元の持ち主の方が生前 にコレクションしていたもので は、と推測しています。

 友人の方は、レトロ好きな ぎすじさんに、快くコレクショ ンを譲ってくれたそう。そんな 好意も受けて「保管するだけ ではもったいない。ちゃんと記 録し、日の目を見る ものにしないと」、と 書籍化を決めたんで すって。

小さな箱に宿るもの

 レトロマッチから は、かつての世相も 読み取れます。電話 番号が5ケタだった り、「立法府」や「1号 線」(現・国道 58 号) を目標にした地図 があったり。海洋博 ( 1 9 7 5 年)を記 念したものは、海の 風景やパビリオンの 写真をレイアウトし、 バリエーションがあり ます。面白いのは行政が配布 していたもの。公共マナーに関 する標語などが記してあり ます。現代のポケットティッ シュのように、誰にでも配り やすいアイテムとして、マッチ が選ばれていた時代があった んですね。

 バーや料亭のマッチには、店 名、住所、電話番号といった最 低限の文字情報だけのもの もあります。シンプルですが、 それだけで店の雰囲気が伝 わるようなたたずまい。写植 時代のデザイナーによるこだ わりの手書きフォントです。 「デジタルにはない存在感が すごい」とぎすじさんはうな ります。一方「版ズレ」と呼ば れる明らかな印刷ミスがある マッチも。こちらは温かみとし て楽しんでほしいそうです。

 今月 16 日までは、沖縄市の 書店「タビネコブックス」で本 の出版を記念したコレクショ ン展も開催されました。マッ チを見て、「おばあさんが働い ていたお店です!」と思い出 す人もいたとか。小さなマッチ 箱には、たくさんの記録や記 憶が詰まっているのです。本を 手にとって、その奥深さを感 じてみませんか。



“県内の“レトロマッチ”を本で紹介!"

『沖縄レトロマッチの世界』
ぎすじみち写真・文
ボーダーインク
1980 円(税込)

〈取材協力〉rat & sheep



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“県内の“レトロマッチ”を本で紹介!"
ぎすじさんの元にあるレトロマッチたち (一例)。デザインに発見があったり、背後 にあるストーリーを想像してしまったり、 一つ一つをゆっくりと眺めてしまいます
“県内の“レトロマッチ”を本で紹介!"
ぎすじみちさん。書 籍化に際しては文章 の執筆はもちろん、 マッチの写真撮影も 自身で行ったそう。 一点一点への解説や コメントに愛着が感 じられます
“県内の“レトロマッチ”を本で紹介!"
“県内の“レトロマッチ”を本で紹介!"
「大人のワークショッ プ」と題して、マッチ ラベルを実際にデザイ ンするイベントも開催 したそうです=沖縄市 中央の「タビネコブッ クス」(提供写真)
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