「島ネタCHOSA班」2024年09月26日[No.2055]号
旧盆にお供えした青バナナを追熟させて食べてから、県産バナナが大好きになり ました。それはアップルバナナという品種だそうです。出回っているのでしょうか。
(那覇市 バナナマン三世)
「アップル」「アイスクリーム」!? 県産バナナ
調査員は数日前、ご近所 さんからバナナの天ぷらを頂 いたばかりです。揚げたてバ ナナは甘味が引き立ち、もっ ちりとした食感。聞けば、農 園を手掛けるいとこが青バナ ナを持ってきたので、少し熟 させてから揚げたとか。もし かしてアップルバナナ?
すぐさまいとこの多良間恵 盛さん( 68 )を紹介してもら いました。
農園に第二の人生設計
待ち合わせ場所は、浦添 市浦西公民館前。軽トラで 現れた農作業着姿の多良間 さんの後を追って 10 分ほど西 へ車を走らせると、傾斜畑の 一帯にたどり着きました。
警察官を定年退職した8 年前、多良間さんは温めてき た第二の人生設計を自宅か らさほど遠くないこの畑地を 買い求めて具現化していま す。1600坪のジャーガル 土壌の畑で、「バナナ300 本、コーヒー、モリンガ、ジャ ガイモ、シークワーサーなど を栽培している」と多良間さ ん。日に焼けた顔は働き者の ハルサー(農家)の証しです。
出身は、宮古島の西の沖 合に浮かぶ多良間村。「小さ な島で、親は厳しい自然を 相手に農業をしながら僕ら 6人の子どもを育ててくれ た」と、作物を栽培する身と なり両親の苦労をしのんでい ます。
農園の傾斜の高 い一角にエアコンを 効かせたトタン屋 根の小屋を構え、 親戚や仲間らとバ ーベキューを楽しむ 憩いの場も造り出 しています。
畑地奥の小屋か ら聞こえるのは、 ヤギの鳴き声。「ヤ ギふんを有機肥料 に利用するために 飼ったが、餌の草刈 りに毎日出勤して いる。孫からは『僕とヤ ギとどっちが大事なの』 と言われる」と、苦笑 いする多良間さん。ヤ ギは5頭から飼い始め、 自身で掛け合わせて 20 頭に増やしたというか ら驚かされますが、調 査員は関心の的を畑地 のへりに植わった見事 なバナナに向けています。
甘味・酸味濃厚、県産バナナ
アップルバナナやアイスクリ ームバナナと呼ばれる東南ア ジア原産の「ブルー・ジャヴァ・ バナナ」や三尺バナナ、島バナ ナなど、県産バナナとして人 気の高い5品種を収穫する 多良間さん。いわく「濃厚な 甘味と酸味のバランスがよ く、もちもちとした食感や 香りのあるアップルバナナが 一番おいしい」
収穫が台風に左右される バナナ栽培。バナナの木は一房 20 〜 30 ㌔の実の重さに耐え かねて倒木するほどで、暴風 には大打撃を被ります。「こ としは台風がなくて、孫のお やつや親戚にあげたり出荷し たりした」と多良間さん。出 荷先は、会員でもある「JA おきなわファーマーズマーケッ ト西原うんたま市場」。
店長の仲宗根朝之さんに 聞くと、「台風の影響で旧盆 用バナナの棚ががら空きだっ た昨年に比べて、ことしは豊 作で十分な入荷量」とのこ と。そういえば、調査員もや んばるの妹からも県産バナナ が届きました。豊作のことし は冷凍保存もよし、スムージ ーや天ぷらで調理するなど、 県産バナナを満喫しましょう。