「島ネタCHOSA班」2024年11月14日[No.2062]号
毎年11月9日~15日の一週間、秋季全国火災予防運動が実施されます。今回の島 ネタCHOSA班は、特別編として、住宅火災の原因や住宅防火のための対策、県内の 住宅用火災警報器の設置状況についての情報をお届けします。
守りたい未来があるから火の用心
沖縄県内では、令和5年に522件の火災が発生し、17人の尊い命が失われました。火災による死者のうち9割近くが住宅火災によるもの。私たち一人一人が、各家庭で予防に努める必要があります。調査員は那覇市消防局を訪れ、予防課長の比嘉寛さん、予防係の仲本興平さんにお話を聞きました。
出火の原因と対策
まずは出火原因から。全国の建物火災を出火原因別に見ると、1位はこんろ、2位はたばこ、3位は電気機器、4位は配線器具、5位は放火だと教えてもらいました。
「1位のこんろは火をかけたまま寝てしまったり、外出してしまったり…」と比嘉さん。使うときは火のそばを離れない習慣が命を守ります。
「2位のたばこは、寝たばこや灰皿。捨てたつもりが消えていないケースもあり、しっかり火が消えたか確認することが大事」と続けます。
3位の電気機器では、スマートフォン、モバイルバッテリー、電子たばこなど、充電式電池の火災に要注意。「落下させたり、強い衝撃を与えたりすると、出火することも。メーカー指定以外のバッテリーを使うのも危険です」(比嘉さん)。膨張や異音を感じたら使わない、近くに可燃物を置かない、充電したまま外出しないということも大事だそう。
「4位の配線器具は、コンセントにたまったホコリ、断線などが原因。ホコリは清掃し、不必要なプラグは抜く。コードの過度の折り曲げ、踏みつけにも注意を」(比嘉さん)
5位は放火。家の外に段ボールなど燃えるものを置かないのが抑止力になります。
出火原因は全国も沖縄も変わらないそうですが、沖縄の場合、気を付けたいのが仏壇。「沖縄は仏壇でロウソクをともすことが多く、ペットや風が倒すことも」と比嘉さんは注意を促します。
住宅用火災警報器
残念ながら火災が起きてしまったら…。その時に威力を発揮するのが、いち早く火災の発生を知らせてくれる「住宅用火災警報器」です。
「住宅用火災警報器を取り付けることで、火災の死者数と焼損面積が半減するというデータが出ています」(仲本さん)。平成23年から、全ての家庭に設置が義務付けられていますが、県内の設置率は令和6年度6月時点で全国ワーストの61・9㌫。量販店などで入手でき、特殊な技術や工具も必要なく設置できるので、まだの読者はぜひ設置をお願いします。既に設置済の場合も、10年経過したら取り替え時期です。
火災が起きたらすぐに119番に通報。火が小さいうちは消火器などによる初期消火が威力を発揮しますが、壁や天井に燃え移ってしまうと個人では消せなくなるので、通報が重要になります。命を守るため、周囲に火災の発生を伝え、避難することも大切です。
消火器を設置し、使い方を確認しておくのも重要。「『ピンポンパン』の合言葉で覚えてください。ピン=ピンを抜く、ポン=ホースを外して火元へ向ける、パン=ハンドルを握り噴射する、です」(仲本さん)。
私たち県民が一丸となって、火災のない島の実現に努めていきましょう!
那覇市の住宅 防火に関する お知らせ (那覇市ホームページ内)