「島ネタCHOSA班」2025年01月09日[No.2069]号
定年退職して沖縄の野草の写真をとって楽しんでいます。妻からサシグサが食べられると聞いたのですが、詳しく調べてもらえないでしょうか?
( 70代 匿名希望)
「サシグサ」を有効活用!?
サシグサって、公園や道端に生えていて、洋服にくっ付いているアレですよね。
植物図鑑などによると、サシグサ(刺草)は熱帯アメリカ原産で、世界中に200種以上が分布しているセンダングサ属の植物。若芽や葉は食用にされ、薬用や観賞用になる種もあり、沖縄で見られるのは「タチアワユキセンダングサ」や「コシロノセンダングサ」などと判明しました。これらを総称して方言で「サシグサ」と呼ばれているそうですが、「お茶、山菜、ヤギの餌に利用」との記載も!
サシグサでお茶会!?
「ちょうど今週末、サシグサ関連のイベントをやるので、ぜひいらしてください!」と教えてくれたのは、八重瀬町や南城市で「南沖縄プロジェクト」などの事業やイベントを手掛る「ハッピーフラワー株式会社」代表取締役で実業家の江川朋さん。
教えてもらった「南の駅やえせ」でのイベント「南沖縄流・お抹茶会」に行くと、お客さんが次々とサシグサ入りの抹茶を楽しむ様子が見られました。試飲したスタッフに話を聞くと「飲みやすいですよね。ごくごく飲んでしまいました(笑)」(八重瀬町役場職員・金城寿音さん)、「うん、飲みやすかった!」(同・高橋みなみさん)と笑顔。江川さんは「抹茶の味が残るようにブレンドしています」とニッコリ。
多様な食事メニューに変身
続いて調査員は、南城市にサシグサ専門カフェがあるという情報をゲット。名前は「joy工房&茶屋」で、店を運営する「株式会社さし草屋」代表取締役・與儀喜美江さんが出迎えてくれました。
店内には、花瓶に入ったサシグサやサシグサ入りの寒天ゼリー、お茶、ハチミツ。飲食メニューには「さし草オムそばセット」「さし草トースト」「さし草ジーマーミ豆腐」「さしティラミス」。なんだか、サシグサでつくれない食べ物はないのではと思うほど種類豊富。喜美江さんに勧められた「汁そば」は、生臭さや苦さが全くなくまろやか。
「面白いでしょう? 環境を汚さず生活の足しにもなるし野菜不足も補える。生食、煮る、焼く、揚げる、飲む、炒める、炊くなど、どうやっても食べられます。1時間あれば8品作れますよ」と説 明する喜美江さん。
「最初は企業に相手にされませんでしたが、今では毎週来店されるリピーターさんがいます。何より私がサシグサからパワーをもらっています。どんなに過酷な環境でも仕事でもやっていけたのは、サシグサのおかげ」
店を手伝う家族は「お店はサシグサを五感で楽しみ、サシグサとあらためて出合える場所」(営業担当・誠也さん〈長男〉)、「より多くの人に知ってもらって健康や喜びをつくるお手伝いをしたい」(web担当・ひかりさん〈長女〉)と目を輝かせます。
サシグサを食べたことがなかった調査員ですが、いまではサシグサのおにぎりが大好物です!
さし草屋「joy工房&茶屋」
南城市大里字仲間937(仲間交差点近く)
☎=098‒988‒1209
営業時間=10時〜18時(土曜定休)