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[No.2084]

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「島ネタCHOSA班」2025年04月24日[No.2084]号



  北谷で沖縄そばカクテルを出している「alaBar(アラバー)」というバーがあるのですが、ぜひ行ってみてくれませんか?

( 50代男性・匿名希望)

えっ、沖縄そばのカクテル!?

 楽しそうな依頼がきましたね。今回はお酒が飲めない調査員の代わりに、バー巡りが好きな元バーテンダー見習い比嘉大志さんが同行。1・9 万人のフォロワーがいるFacebookページ「沖縄食堂探検隊」の管理人です。一緒に「アラバー」の扉を開けると、店長の松本圭一郎さんが出迎えてくれました。

気になる味は?

 松本さんが目の前で作ってくれたのは「茜(あかね)」と「琥珀(こはく)」という2つの沖縄そばカクテル。

 「茜」は、バーテンダー歴40年以上というオーナーの平良厚彦さんが考案したドリンク。泡盛やウオッカ、そばだし、コーレーグース、トマトジュースをミックスして作ったそう。一口飲んだ比嘉さんは「まさに沖縄そば! お酒の強い飲むスープですね」とニヤリ。一方「琥珀」は食べるタイプの沖縄そばカクテル。こちらは松本さん考案。ゼリー部分には泡盛、そばだし、ジンジャービアを入れ込んでおり、スープにはそばだし、シークヮーサー、黒糖、塩、しょうゆ、かつお粉。よく見るとミニトマトやスライスしょうがも。沖縄そばの要素だらけ!

 「温めたそばだしに泡盛を入れているので、お酒は飛んでいます。アルコール度数は1〜2㌫ぐらい。スープに泡盛だけだと定番すぎるので、ゼリーに泡盛を入れることで泡盛の香りを楽しめるようにしています。またスープだけだとしょうゆとポン酢の味が強いので、トマトで和らげています。冷製感と味のバランスがいいカクテルとなっています」と松本さん。

 比嘉さんは「これ、デザートカクテルですね」とほほ笑みます。2つのドリンクには沖縄そばの麺を使用した「そばスティック」が付き、食べると軽い塩味がするスナックのような感じ。「これね、沖縄そばやカクテルを作るより難しいんです。製麺所から取り寄せた麺の水分を飛ばして作っていますよ」。いやはや、何から何までビックリ。

サプライズ感出したい

 「北谷は観光客が多いエリアなので、私たちは斬新感とサプライズ感が出したくて、ドリンクで沖縄そば感を提供したいねということで、昨年5月から始めました。今のところ圧倒的に観光客からの注文が多く、沖縄に住むお客さまからはあまり注文が出ていません(笑)。でも非日常を提供するのがわれわれの仕事ですから、お客さまが『アラバー楽しかった』と思ってもらえたら本望です」

 バーテンダー歴26年目の松本さんが業界に入ったのは23歳の時。バイト仲間と行ったバーのきらびやかな雰囲気に惹かれ、大学を中退してこの道に。「もともとおとなしくて口下手で、この業界に向かない性格だった」と振り返りますが、たくさんの先輩方やお客さまに助けられ叱咤激励を受けるうち、日本バーテンダー協会沖縄支部(当時)の「泡盛カクテルコンペティション」で金賞を受賞するなど受賞歴を重ねます。「僕はまだまだ子ども。50年はバーテンダーをやりたいです」と目を輝かせます。



alaBar(アラバー)
北谷町桑江1‒9‒37(10F)
※「東洋飯店北谷店」と「琉球銀行北谷支店」の間
電話:080‒9508‒6500

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“えっ、沖縄そばのカクテル!?"
松本圭一郎さん
“えっ、沖縄そばのカクテル!?"
比嘉大志さん
“えっ、沖縄そばのカクテル!?"
食べる沖縄そばカクテル「琥珀」
“えっ、沖縄そばのカクテル!?"
コーレーグースやそばだしが入った「茜」
“えっ、沖縄そばのカクテル!?"
日曜日は昼から飲めます。沖縄そばや自慢のピザも
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