「表紙」2011年05月26日[No.1365]号
お仕事燃焼系 魅ちびけインストラクター21(2011年05月26日掲載)
自己の心と体整える
ルーシーダットン 宮里由美子さん
体内循環整え、足鍛える あせらず自分のペースで
タイ語でルーシーは「仙人」、ダッは「伸ばす」、トンは「自分で」を意味し、タイの修行者が自身の健康維持のために行っていた健康法と言われるルーシーダットン。宮里さんとの出合いのきっかけは、第2子の出産だった。
「出産や育児って肉体的にはとてもハードなことなんです。腰痛に肩こり。改善したいところは全身!っていうぐらい(笑)。それで、2番目の子供を出産した時、整体院に通いだしたんですね。そこでいろいろと教えてもらううちに、体の仕組みというものに興味を持つようになったんです」
整体に興味を覚えた彼女は、その後、もっと知りたいと自ら調べ始める。
「いろいろ調べているうちにルーシーダットンを見つけたんです。『自分で自分の体を整えることが出来る』っていうフレーズを見て、これだ!って感じでしたね」
宮里さんの言葉を借りるなら、まさにビビビッときた出合い。だが、習うだけではなく、なぜ教える側となったのか? そこには、彼女が持つ、もう一つの経験があった。
「結婚するまで介護士として働いていたんです。お年寄りの方はもちろん、介護士も、仕事の内容上、どこかに痛みを抱えている人が多いんです。そういった人たちの持つ痛みやストレスを、少しでも改善できたらいいのにと思ったんですよ。ルーシーダットンは柔軟性や体力がなくても出来る、まだもう少し出来るな、やりたいな、と思えるぐらいの運動量ですので本当に誰にでも出来るんです。それを知ってもらえたらと考えたんですね」
誰にでも簡単に取り組める自己整体法。そのすべては独特の呼吸法で行われる。
「腹式、胸式を使い、深い呼吸を繰り返すことでリラクゼーション効果が生まれ、自律神経を整えます。また、胸やお腹がパンパンになるほど息を吸った状態でキープしポーズをとることで、血流が少し圧迫されて血管、リンパ管などを刺激して体内の流れを整えるんです」
呼吸とともに、もう一つの特徴がある。それは、足に重点が置かれているということだ。
「足はすべてのかなめなんですよ。血液やリンパの流れに大きく関係しますし、生活する上でなくてはならない土台ですからね。足が悪くなると全体のバランスがくずれてしまって、あちこちに負担が生まれて痛みになってしまうんです」
体内循環を整え、土台である足を鍛える。この2点を繰り返すことで、健康的な身体を形成していく。だが、なによりも大切なことは楽しみながらゆっくりとやることだと宮里さんは言う。
「ジムトレーニングのような激しいものではないぶん、効果や効能はすぐには出てきません。ゆっくりゆっくり自分で整える。大事なのは、あせらず、かまえず、ゆっくりと楽しむこと。これは生きかたにも通じるものがあると思うんです」
ルーシーダットンは、老若男女を問わず、どんな人でも取り組めるという大きな魅力がある。 だが、「無理はしなくて良い、あせらないで、楽しんで。そうすればきっと良くなるのだから」。そう話す宮里さんの持つ柔らかな雰囲気に魅せられて、人は彼女のもとを訪れているのかもしれない。
ス~ッ…プシュ~。気持ちよさそうな呼吸音が耳に心地よく響いていた。
宮里さんのレッスンには、お子さんを連れてこられる方も多い。レッスンを受けながら、生徒さん同士で情報交換や子育て相談なども。また、そういったゆんたくを楽しむことでも心身ともにリフレッシュすることに繋がっているそうだ。
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編集・佐野真慈/写真・照屋俊