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[No.1387]

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「表紙」2011年10月27日[No.1387]号

うちなー未来創る 1

伸ばそ熱血監督 9(2011年10月27日掲載)

戦術より楽しさ伝授
サッカー・フットサル 南風原JFC 照屋勇樹監督

 南風原小学校の児童を中心に、5歳から小学校6年生まで、64人の子どもたちが在籍し、サッカーの練習に汗を流す南風原JFC。父母がチームを組織して8年。指導する照屋勇樹監督(31)もまた、その一人だ。楽しさを伝え、子どもたちのやる気を引き出す。

やる気、自主性を引き出す

 中学校時代にサッカー部に所属していた照屋さん。18歳から始めたフットサルからは、その後、結婚を機に遠ざかっていた。「再びサッカーを始めたのは、3年前。小学校に入った長男がサッカーをやりたいと言い出したのがきっかけでした」。LPガスの保守点検の仕事で、夜間に働いていた照屋さんは、長男の龍斗君が南風原JFCに入るのと同時に、仕事の時間帯を昼間に変え、同じチームのコーチになった。

 それまで仕事の都合で子どもとはすれ違いの生活を送っていた照屋さんは、サッカーを通じて子どもとの時間を取り戻したと当時を振り返る。コーチに就任して最初に当時の監督に言われたのは、主役は子どもたちだということ。子どもの目線に合わせることを心がけるようにとアドバイスを受けたことがとても役に立ったという。

 その次の代の監督は、技術の指導に優れていて、その二人の監督の元で学べたことがとても幸運だったという照屋さん。

 「戦術を重視して、フォーメーションを指導する監督もいますが、僕は、教えるというより、一緒に楽しむことを重視しています。まずサッカーを楽しんで好きになること。そうすれば、上手になりたくなる。そしてどうすれば上手になるか子どもたちは自分で考えます。それをどう実現するか、バックアップしてあげるのが、大人の役目だと僕は思っています」。

 グラウンドで練習する子どもたちの生き生きとした真剣なまなざしを見れば、彼らがいかに純粋にサッカーが好きなのかがわかる。その一方で、やはりゲームが好きな今時の子どもたち。サッカーゲームに出てくる必殺技がどうしたらできるようになるかと真剣に質問してくることもあると照屋さんは笑う。

 地域では強いチームとして認識されている南風原JFC。照屋さんがコーチとして3年目を迎えた昨年6月の県大会では準優勝に輝き、3代目の監督に就任した今年の春には県代表として、熊本で開催されたJFAキッズサッカーフェスティバルへの遠征を果たした。

県大会で準優勝

 残念ながら一勝四敗に終ったが、子どもたちにとっては貴重な経験になったに違いない。次に控えるのは10月29日のおきぎんカップ。12歳以下のジュニアの大会で、小学6年生チームが出場する。今月初めに開催された11歳以下のフットサルの大会では県内108チーム中ベスト8に入った。5年生に先に良い成績を取られて、6年生も張り切らないわけにはいかないだろう。

 自身もフットサル選手としての活動を再開してチームに属している照屋さんは、コートの外からあれこれ言われるとやる気をなくす気持ちがよくわかると言う。それだけに、普段の練習では基礎をメーンに教え、試合では、子どもたちの個性や想像力を大切にしている。子どもたちにどんな監督かと聞くと、「優しい」という言葉が返ってきた。

 自らも「やる気の見えない時以外は怒らないですよ」と言う、物静かな印象の照屋さん。「集中して」「はい、行動しよう」と、短いセンテンスで的確に指示を出す。

 集中力が散漫になりがちな年代の子どもたちが、その指示に敏感に反応して、「監督、次は何ですか?」と積極的に練習に参加している。チームの特長は仲のよさ。学年を超えて、大勢の仲間で達成感を共有する場を持つことの大切さを教えられた気がした。

奈須川さと子/写真・國吉和夫


戦術より楽しさ伝授
子どもたちとサッカーを楽しむ照屋勇樹さん=南風原小学校
戦術より楽しさ伝授
自ら体を動かし、ゴールキーパーを指導
戦術より楽しさ伝授
チーム紹介 南風原JFC
 2004年、南風原小学校の父兄により創立。以来、コーチや監督も父兄が務める。現在、南風原小の生徒を中心に64名の男子が所属。毎週火曜日と木曜日に練習、週末は練習試合に励んでいる。照屋勇樹監督は、島尻東地区サッカー選抜チームのコーチも兼任している。
戦術より楽しさ伝授
わたしの一言 浜田 航夢(かずむ)
目指すのは優勝
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