「表紙」2012年04月26日[No.1413]号
いつも笑顔で穏やかな口調で話す星野るみ子さん(53)は、「子どもの頃は体が弱かったため、体調管理にはとても悩まされました」という自身の経験を生かし、整体、エステ以外にも健康食に関しての資格を持ち、多くの人に癒やしを提供している。
42歳で4人目の子どもを出産。氣功整体を受けることで、その後も現役で仕事ができるほど丈夫な体になった星野さんは、この気持ちを多くの人に知ってもらいたいと決意し、走り出した。そして去年、個人のマッサージサロンをオープンした。子育てにも奮闘し、好きな仕事を続けられる喜びを感じている。
客の笑顔エネルギーに
整体師になる前は健康食品を販売する会社で営業課長をしていた。部内には営業経験者が少なかった。そのため星野さんは、人の何倍も働いた。自分の体のことを考えている暇はなく、必死だった。
そんな毎日が続き、頭痛、嘔吐に悩まされていたが、氣功整体を受けることで少しずつ回復していったという。
これがきっかけとなり、星野さんは転職を決めた。整体師に向けて新たな人生を歩き始めることになる。
星野さん一家は夫錦吾さん(64)を始めとし、二男二女の六人家族。長女麻美さん(28)は設計事務所に勤めている。長男の大吾さん(26)は県外で働き、次男真吾さん(22)は名護で学生、次女千咲巴さん(11)は小学6年生だ。母親として長い子育て生活は、一見大変そうにも見えるが、「私が一生懸命働ける秘訣です」と笑顔で話す。
無事に自分のお店をオープンできたのは、他でもない家族のおかげ。そしてその中でも麻美さんの協力に救われている。
設計事務所でたくさんの家やお店の内装を手掛ける麻美さんは、仕事をしながらサロンの内装から看板までを全部デザインして造ってくれた。フライヤーもすべて作成してくれる、星野さんの強い味方だ。
「オープンすると決めたとき、麻美が『お母さんどんなお店を造りたい?』と言って、率先して動いてくれたんですよ。私はこういうのは苦手なので、どうしたらいいかわからないところを、提案して形にしてくれるので、とても助かっています。夫が以前同じような設計事務所で働いていたんですけど、なんだかそっちに似たみたいです」とうれしそうにほほ笑む。
星野さんのサロンに通うお客さんは、独立するまで働いていた職場からの人も多い。その理由は技術の高さはもちろんのこと、彼女の気さくな性格があるからこそ。丁寧なカウンセリングを行い、心のケアにも熱心に取り組む。夕方来店したお客さんにご飯を作ってあげることもあるそうだ。
「この仕事のやりがいは、来てくれた人が元気になってくれることです。来た時と帰る時の変化を感じられた瞬間が一番うれしい。お客さんの笑顔が私のエネルギーなんです」と強調した。
サロンを少しでも多くの人に知ってもらうため、空いた時間を使ってフライヤーを配る毎日。そんな生活に向上心と、人と話すことの楽しさを感じている。
「新規のお客さんがきてくれるとうれしい。読んでくれたんだなって。頑張って自分の足でまわってるからそう思えるんですよね。それに、一人でいるのはあんまり好きじゃないんです(笑)ろくなこと考えないでしょ?」
星野さんが自分の道を信じて走り続けることができるのは、たくさんの人と接する中で自分の気持ちを抑え込まないようにすること。そして、錦吾さんというパートナーの存在だ。
「一人だと、全部を頑張らなきゃいけないって力入っちゃって、やりすぎちゃうことがあると思うんです。人と話すことによって、ストレス発散にもなるし、自分を客観的に見ることができると思うんです。私は一人でやっていても、一人だと感じたことはないんですよ。理解のある夫がいますから。補える関係の人がいるので怖いものなしです」と、夫婦円満の様子がうかがえる。
「生涯現役が目標です。末っ子は小学生ですし、まだまだ若く元気でいないと」
幸せそうに笑う星野さんの未来は、可能性に満ちている。
普天間 光/写真・島袋常貴
次女の千咲巴さん(前列右)は母である星野さんに対して、「ほっとけない所がある」と照れ笑い。小さなことでも笑い合える、家族の温かな雰囲気を感じた。
氣功整体を主体にエステ、アロマオイルマッサージを行い、体のゆがみ、コリをほぐすことで癒やしを与える。パワーストーンがぎっしり詰まった道具、シャトルを使って氣を注入し、ツボを刺激することでリンパの詰まりや骨、内臓のゆがみを調整する。現在も健康美人を一人でも多くの人と分かち合うため、日々研究、実践を重ねている。