「表紙」2013年09月12日[No.1484]号
魅力伝え、普及目指す
音楽に合わせて演技をする子どもたち。時折笑顔を見せながらも、真剣なまなざしで取り組んでいる。「GEMMYZ(ジェミーズ)」は、県内で初のチアリーディングチームだ。県内にはチアリーディングの試合がなく、チームもほとんどない。「楽しくて、夢中になれるスポーツです」と話す指導者の新垣優理子さん(30)は、チアリーディングの普及を目指して2006年にチームを結成。県外でチアリーディングを経験したメンバーが主体となって34人の子どもたちを指導している。
イベント参加し夢中
GEMMYZは、中学生以上の「ヤングチーム」と、3歳から小学生までの「キッズチーム」に分かれて練習している。毎週日曜日に宜野湾市の宜野湾市立中央公民館で9時から10時まで行う。10時からはヤングチームの練習が始まるため、指導者とヤングチームのメンバー数名でキッズチームを指導している。
指導者の新垣さんは、興南高校を卒業して岡山県の岡山大学で応援団チアリーダー部に所属していた。ポジションはトップ(上に乗る人)。「私は県外の大学で初めてチアを体験したのですが、楽しくてすぐに虜になりました! 卒業して県内に戻ってきても忘れられませんでした」と熱く語る。
チームを結成したきっかけは、同じチアリーディングの経験者である大城梓さん(30)との出会いだった。「社会人チアリーディングチームを作って、チアの楽しさを伝えよう!」と意気投合。当初は5人だったが、7年目の現在では、キッズが34人、ヤングが20人と年々増えている。
基本を大切に
キッズチームでは主にチアリーディングの基礎的な動きを学ぶ。ダンス、キック、ジャンプなどの基本を覚えることは、ヤングチームで高度な技を得るために必要不可欠だ。「一つの演技に対して、まずはゆっくり分かりやすく説明をします。その後は動きを何度も繰り返すなどして、時間をかけて練習を行っています」とチアリーディング協会の資格を持つ指導者の知念美智さん(35)は話す。
手の動きでは、こぶしを前、横にするときも全員がそろえられるようにする。足を上げる際にも背筋を真っすぐにするのだが、曲がってしまう子もいる。細かい動きは、練習を重ねるごとにできるようになっていくそうだ。
1年に数回ほど県外から指導者を招いて練習することもある。チアリーディングの普及だけでなく、完成度の高い演技とバリエーションの幅を広げることにも重点を置いている。
楽しむことで上達
チアリーディングに試合はないが、毎年多くのイベントに参加して、大勢の前で演技を披露している。8月に行われた宜野湾市の「はごろも祭り」では、キッズチームはヤングチームと共に練習の成果を存分に発揮した。NPO法人ヴィクサーレスポーツクラブに所属しており、サッカーなどの試合で休憩タイム時に出場する機会もある。
チームに所属して6年目になる屋比久和花(のどか)さん(11)は、「いろいろなイベントに出られるのがとってもうれしいです。最初は緊張していたけど、だんだん慣れてきました」とかわいらしい笑顔で話してくれた。屋比久さんは、当時同じアパートに住んでいた友人から誘われて入部。ほとんど毎週練習に参加して、すっかりはまってしまったそうだ。ポーズもきれいに決まっている。「チアリーディングは笑顔いっぱいで踊るスポーツです。楽しんで練習することがうまくなるコツだと思います」と新垣さん。
練習風景は終始笑顔が絶えない。楽しそうに教える指導者を見て、子どもたちも率先して練習している。「ダンス楽しい! 体動かすの大好き」と座波綾乃さん(9)と陽向(ひなた)さん(7)姉妹は元気に答えてくれた。演技をマスターしている子もそうでない子も、指導者を見本にしながら一生懸命に踊っている。勢いがありさらに上達していくキッズメンバー。「GEMMYZ」の今後が楽しみだ。
普天間光/写真・呉屋慎吾
2006年に結成。3歳〜小学生までのメンバー34人がチアリーディングの基礎を学ぶ。県内出身で、県外で経験を重ねたメンバーが指導している。中学生以上のヤングチームもある。混成チームで県内の祭りやイベント出演を行っている。チアリーディング普及に向けて、定期的にキッズへの講習会を企画、実施。経験のある指導者を募集中。
☎098(850)8705 (NPO法人ヴィクサーレスポーツクラブ)