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[No.1553]

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「表紙」2015年1月22日[No.1553]号

gogo sports

GO!GO!スポーツ 10

アーチェリー
アーチェリー成年女子団体 沖縄県代表
内間春野さん・國吉百子さん・新藤南海子さん

風を読み己と闘い、的を射る

 アーチェリーは70㍍先にある的に弓を使って矢を当てるシンプルなスポーツ。

 他のスポーツに比べて体格や筋力の差は重要ではなく、内面的な強さが勝敗を決することが多い。また、年齢に関係なく始めることができ、選手生命も長いことから生涯スポーツとして楽しんでいる人も全国的に増えているという。

 アーチェリー成年女子団体の県代表で、国民体育大会の本大会出場を目指しているのが内間春野さん(45)、國吉百子さん(36)、新藤南海子(35)さん。3人は高校時代や大学時代に全国大会での優勝や個人戦の上位進出を果たした実力者。

 現在は仕事や子育ての合間をぬって練習に励み、九州大会突破を果たし、国体本大会出場を狙っている。その3人にアーチェリーの魅力や面白さ、今後の夢を聞いてみた。



真ん中を射抜く爽快感!

 「本当は弓道をやりたかったんです」という内間さん。映画「アイコ十六歳」を見て、主人公がやっていた弓道に興味を持った。しかし、入学した宜野湾高校には弓道部がなく、同じように弓と矢を使うアーチェリー部に入部することに。当時、同校は海邦国体に向けてアーチェリーの国体強化校に指定されており、校内に競技場を設立し指導者も招いていた。指導者に恵まれ毎日の練習も楽しかったという内間さんは、メキメキと頭角を現し、一年後の全国高等学校アーチェリー選抜大会で初優勝する。

 バルセロナオリンピックの開会式でアーチェリーを見て「格好いい競技だな」と思っていた國吉さんは、かつて同校のアーチェリー部だった兄と姉の影響もあり、同校に入学するとすんなりとアーチェリー部に入部した。新藤さんも同校に入学するとアーチェリー部に所属していた2つ上の兄に誘われ入部。「兄の試合を何度か見たことがあってアーチェリーの存在は知っていましたが、まさか自分がやるとは思ってなかった」

 國吉さんと新藤さんは同じ高校の先輩と後輩の間柄。高校総体や国体で個人優勝や準優勝という成績を残している。

 「的の真ん中に当てる爽快感」「静と動があるところ。あと、自分に向き合える、精神力を試すところ」と國吉さんと新藤さんは魅力を語る。内間さんは「特に10点と9点の黄色い的に当たったら『よっしゃ』という気持ちになる」と笑う。

 アーチェリーの難しさは風の影響を受けやすいことにある。矢を放つ場所と的のある場所とでは風向きが違うこともよくあり、その風の違いを読んで矢を放つ。競技は大雨が降っても雷が鳴らない限り続行される。雨にぬれると矢は重くなってしまい、的の前で失速する。風の向きや雨の強さも考えて軌道を修正して放った矢が黄色い的に当たったときは思わずガッツポーズもでる。

 宜野湾高校の競技場は海のそばにあり、一年中強い風が吹いている。強い風が吹くとどうしても手や体が揺れてしまう。「そんな中で毎日練習をすることで、風に強い選手になるんです」と國吉さん。九州大会や全国の大会で強い風が吹くと上位陣が崩れることもあり、「もっと強く吹いてくれと願った(笑)」ことも。

 アーチェリーがうまくなるには「反復練習」と3人は声をそろえる。上達の一番の近道はとにかく練習の積み重ねである。社会人になると練習時間があまり取れなくなり、腕は確実に落ちていく。そのため3人でチームを組んでから、国体の本大会出場は決めていない。

 全国大会へ向けての大切なことを聞くと「日々の練習もそうだけど精神力かな」という。「あせったり雑念が浮かんだり、考えこむとドンドン点数が落ちてしまう。気持ちの切り替えが必要」だというのだ。

 沖縄県アーチェリー協会・強化部長・仲里基(はじめ)さんは「3人は現役時代、全国で常に上位進出を果たした選手たちです。特に春野さんは高校時代3冠を制し、大学でも優勝。精神力も強いので国体本大会出場も夢じゃないと思います」と語った。



嘉手川学

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アーチェリー
精神を集中して的を狙う3人。右から内間春野さん、國吉百子さん、新藤南海子さん。国体の本大会を目指して矢を放つ。宜野湾高校アーチェリー競技場=宜野湾市
撮影・村山望

アーチェリー
的の前に立つ3人。的は黄色が10点と9点、赤が8点と7点、青が6点と5点とだんだん点数が下がっていく
アーチェリー
練習は何度も繰り返し矢を放ち、1射ごとにタイミングや軌道を確認しながら積み重ねることが大切
アーチェリー
アーチェリー協会の仲里基さん。競技の普及に尽力中
アーチェリー
アーチェリーの道具。一式そろえるのに3〜30万円くらい要するが、20年以上は使える
アーチェリー
 的までの距離は18㍍、30㍍、50㍍、70㍍、90㍍とあるが、最近はオリンピックに準じて70㍍が主流になっている。
 全選手がランキングラウンド(予選)を行い、得点の高い順から決勝トーナメントへ進む。団体戦も3人の合計点の高い順で決まる。ランキングラウンドの順位は72射(4分以内に6射×6セット、休憩後、4分以内に6射×6セット。最高点720点)の得点で決まる。
 大会によって上位32人あるいは16人による決勝トーナメントが行われる。
【問い合わせ】
沖縄県アーチェリー協会
メールアドレス
hajime1440@yahoo.co.jp
仲里 基(はじめ)
沖縄県アーチェリー協会
https://www.facebook.com/okinawa.archery

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