「表紙」2018年04月26日[No.1722]号
ひまわりサークル かかし作りで地域を元気に
でーじなとん!? 今帰仁村平敷のかかし
今帰仁村平敷、国道505号沿い。乙羽岳入口付近の花畑に突然現れたのは、まるで遊んでいるかのようにアクロバティックな姿をした、たくさんのかかしたち。自転車に乗ったり、ブランコをこいだり、はしごによじ登ったり……。今にも動き出しそうなほどのリアルさである。端午の節句ももうすぐ。空の青と山々の緑を背景に、花とかかしとこいのぼりが鮮やかな彩りを見せている。
この花畑を管理しているのが、ボランティアグループである「ひまわりサークル」で活動する10人の皆さん。一昨年の夏、平敷地区の老人会から花壇の整備を引き継ぐ形でスタートした。
かかしに命を吹き込んでいるのは、サークルメンバーの上間玲子さん。なんと一人で全てのかかしを作っているのだそう。上間さんが作ったかかしをメンバー全員で楽しく設置。かかしの数はどんどんと増え続け、現在ではなんと50体以上にも上る。
子どもの笑顔が原動力
「最初は遊び心で2体だけ作ってみたんです。見に来た子どもたちが喜ぶ姿を見るのがうれしくて、ヒートアップしてしまいました」
じつは、昨年の4月13日付の本紙3面「島ネタCHOSA班」にて、こちらのかかしを紹介している。1年の時を経て、かかしの数も作り込みも、さらにパワーアップした印象だ。
かかしは全員が子どもで、廃材をリサイクルする形で作られる。針金を編んで骨格を組み、その上に不要になった農作業用のネットを巻き結束バンドを締めて胴体と手足を作る。子ども服は、着なくなった古着を利用。「これを使ってください」と持って来てくれる方もいるのだとか。
「本当にこの場所は地域のみなさんの協力で成り立っています。花畑の土地や作業用の機材は好意でお借りしているものですし、かかしが遊んでいる自転車やすべり台も提供してもらったものです」
今帰仁を盛り上げたい
かかしを近くでよく見てみると、「いくま」や「ねね」など、一体ずつ名前が付いていることに気付く。
「付けられている名前は、ひまわりサークルのメンバーの孫と、平敷地区の子ども会の子たちのものです。性別と年齢を聞いて、それに合わせてサイズや服のコーディネートをしています。自分の名前が付いたかかしはどれなのかと探しては楽しんでくれていますよ」
広場を通りかかった、北山高校1年の嘉数志保さん、平良美さん、仲宗根舞歩さんは、「最初に夜道でかかしを見たときはホラーでした(笑)。でも、増えるたびにどんどんかわいらしくなってきたし、通りがにぎやかになってくれてありがたいです」と話す。
広場が憩いの場となることで、独居世帯の老人の体調を連携して確認でき、地域の安心に繋がっている。また、目を引く場所に交通安全の標語を掲げるなど、啓蒙(けいもう)活動にも一役買っている。
「観光で来ている方と一緒にお茶をすることもありますよ。たくさんの人に訪れてほしいし、ここからさらに今帰仁を盛り上げるお手伝いが出来たらと思っています」
こいのぼりは5月いっぱいまでは掲揚する予定。ゴールデンウイークの時期に合わせてコスモスの植え付けも行っている。「車で来る方は、脇見運転はしないよう、安全運転でお願いします。近所の方が提供している駐車場もありますので、そちらをお使いください」と上間さん。見学の際は注意を。
(ナガハマヒロキ)