「表紙」2022年12月01日[No.1960]号
詩や寸劇、ダンスをミックス
2012年に浦添ナザレン教会で結成された賛美チームVectis(ベクティ ス)は、今年で活動10周年を迎える。キリスト教における賛美とは神様を たたえ感謝を捧げることを指し、主に「賛美歌を歌うこと」を意味する がベクティスでは歌以外の表現方法も取り入れている。現稼働メンバー は9人。その中の6人に話を聞いた。
キリスト教のプロテスタント に属するナザレン教団は、18 95年 10 月にロサンゼルスで結 成された。やがて1905年に 日本に伝来後、日本ナザレン教 団が結成。現在では全国に 70 教会、沖縄には6教会存在し ている。
教会の外にも歌を届けたい
「ベクティス結成のきっかけ は礼拝での賛美の時間でした」 と語るのはリーダーの濱松真 理さん。
当時、毎週準備不足のまま 担当していた賛美の時間を改 善するため、賛美をするグルー プを立ち上げたのが始まり だったという。そのうち、他の 教会の集まりやイベントへの出 演も増え、やがて「特別賛美」 と呼ばれる歌のゲストとして 県外の教会からオファーされ ることに。
結成して2年がたった頃、賛 美歌を知らない人や教会に来 たことがない人にも歌を届け たいとの思いから、初の教会外 コンサートを決意。
「何を伝えたいか。それを伝 えるためにはどの曲がふさわ しいか、どういう内容にしよう か、ということをみんなで話し 合って決めています。舞台とし て純粋に楽しい、ということも 必要だと思っています」と濱松さんは言う。
第一回のコンサートタイトル は「LOVE(ラブ)」。場所はア イム・ユニバースてだこホール (当時は浦添市てだこホール) の小ホールを借りた。それから 今に至るまで「HOPE(ホー プ)」、「JOY(ジョイ)」と教会 外でのコンサートを3度開催 した。
観客が楽しめる舞台づくりを
賛美歌というと合唱団のイ メージがあるが、ジャンル・楽 器を問わず、詩の朗読や寸劇、 ダンスなどの表現も積極的に 取り入れるのもベクティスの強 みだ。
「クリスチャンでも『賛美= 歌』と思っている人が多いんで すけど、全部が賛美だというこ とを伝えたい。詩の朗読やダン スは自然と必要だな、と」
詩は、メンバーであり詩人の 當間弘子(トーマ・ヒロコ)さん 作。コンサートのたびに、テーマ に合わせて書き下ろした詩を朗 読している。
朗読について呉屋謙仁さん は「ダイレクトに届くので、メッ セージ性を持たせたいとなった ときに詩のパワーは強いと思 いますね」と話す。
ダンスは當山愛美さんが担 当。ダンスを取り入れたのは自 身もバレエ経験者でもある濱松 さんのアイデアだったという。
他にもピアノの連弾や、光る 棒を組み合わせてさまざまな 形を組み合わせるスティックラ イトシアターなど、見ている人 が楽しめる舞台づくりを心が けているそうだ。
「集まるべく人が集まっているので、それぞれが神様から頂 いている個性を出した結果こ うなった。良い意味で『想像し ていたものと違った!』と思っ てほしい」と濱松さんは笑う。
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10 日(土)にミニライブ、 25 日 (日)には4 度目となるコン サートも控えている。ベクティ スのメンバーに今後の展望につ いて語ってもらった。
「いつかなにかの間違いでオー ケストラバックで歌いたいです」 (呉屋謙仁さん)
「また京都とか東京とか、県 外に行きたいです」(當間弘子 さん)
「海外の教会でもベクティス のコンサートをして交流を持 ちたいです」(濱松真理さん)
「ユーチューブやSNSなどを活用していきたいです」(諸 見里愛実さん)
「賛美歌ユーチューバーデ ビューとかもいいかも」(津波 優也さん)
「コンサートに来た人たちと 継続的につながっていけたらい いですね」(吉田杏奈さん)
「ベクティスとは、ラテン語 で「てこ」の意味。『一人ずつの力 は小さくても、心ひとつに賛美 する時、神様ご自身が大きく 働いて下さる』という確信と期 待が込められている名前です」 と濱松さんは言います。
常にメンバーのやりたいこと や、お客さんが楽しめるアイデ アを積極的に取り入れる姿勢 のベクティス。より一層の活躍に 注目したい。
(元澤 一樹)
日時:12月25日(日)
開場17:30 開演18:00~
場所:アイムユニバースてだこホール 小ホール
料金:900円(幼児までの膝上鑑賞無料)
問い合わせ:090-1343-6272
(濱松)※SNSのDMからも可