沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。週刊レキオ



[No.2079]

アーティストたちが家に来てくれる感覚

　1985 年にオープン、今年40 周年を迎える「ライブハウス モッズ」は、音楽をはじめさまざまなエンターテインメントを発信している場所。老舗ライブハウスとして、多くの人に知られている店の歴史から展望まで、喜屋武尚オーナーに語ってもらった。

　「人の五感を刺激する空間をつくりたくてお店を開きました。名前はモッズでしたがライブハウスではなく、バーのような店でした」と開店当初を懐かしむ喜屋武さん。当時は沖縄市園田にあり、店内のインテリアをアンティーク調でそろえるなど理想の店づくりに励んでいたようだ。音楽好きで中学生の時にギターを弾き高校時代にバンドを組んでいた喜屋武さんは、レコードをかけるなど店内のＢＧＭにもこだわり、来店客は友人・知人から音楽関係者など層が広がっていったとのこと。

　「お客さまとして来ていたミュージシャンからの『ここで弾き語りをしたい』というリクエストをきっかけに、生演奏が始まりました」

　以降はライブ開催が増えていったそうだ。

　そして開店から20年の節目となる２００５年に、北谷町に移転。店のスペースが広くなり設備も整え、本格的なライブハウスとしての運営がスタートし今に至る。

モッズならではの豪華ライブ

　40周年ライブパーティーは５日連続で行われ、出演ミュージシャンが毎日入れ替わる中、唯一２回登場するのが「STELLA（ステラ）」。喜屋武さん自身が率いるフュージョンバンドだ。

　「周年ライブでしか演奏しないバンドでぶっつけ本番状態で毎年ステージに立っていますが、メンバーは僕が天才だと思っているプレーヤー。ベースを弾く僕がミスをしてもカバーしてくれるので、うまく見えるんですよ。本土の著名ミュージシャンに認められたメンバーもいます」と笑顔。今回は20日と23日に出演予定で、楽しみにしている人も多いだろう。

　またジョニー宜野湾、池田卓、イクマあきら、よなは徹、ジョージ紫らがバンド形式で出演する他、豪華ミュージシャンが連日そろうこのライブはモッズだからこそ実現するスケジュール。だが、開催を喜びつつお詫びしたい気持ちがあると語る喜屋武さん。

　「最近連絡を取っていたなどタイミングの合うアーティストさんに出演をお願いしていたら、枠がすぐに埋まってしまいました。長い付き合いがあっても声が掛けられない方たちが多くいます」と申し訳なさそうな表情を見せた。

今春スタートする取り組みも

　ライブハウスを続ける喜びを聞くと「有名アーティストから若者まで、いろんな方が連日家に来てくれる感覚。なので楽しいですよ！」と答えが返ってきた。昨年「日本音楽著作権協会JASRAC」から感謝状を贈られたことも励みになったという。東京に招待されたのは、沖縄からは初めてのケースだったそうだ。

　「たくさんの人に出会い日々いろんな出来事がありますが、大変な時には助けが来ると何度も感じてきました。音楽界に携わったころ周りは大先輩ばかりでしたが、気付いてみたら現在はほとんどが年下。なじみのアーティストの子どもや孫がライブに出ることがあります」と振り返りつつ、「40年たってもまだこれから。沖縄のエンターテインメント界のさらなる発展を目指し、応援してくれるみなさまと頑張っていきます」と力強く宣言した。この春から、沖縄発の音楽プロジェクト「全速力MUSIC」と連携する新たな取り組みが控えているという。全国放送のテレビ番組や中国へのライブ配信などに関わる計画があるそうだ。

　今後も音楽はもちろんダンス・お笑い・マジックなど全てのパフォーマンスをバックアップし、エンターテインメントを支えていくと意欲を燃やす喜屋武さん。「ライブハウス モッズ」の展開に注目したい。

（饒波 貴子）

現在開催中！
MOD'S 40周年記念ライブパーティー
日時：3月19日（水）～23日（日）18時開演～23時ごろまで
会場：ライブハウス モッズ（北谷町美浜9-1 デポアイランドビルE館2F）
チケット：1日8000円（フリードリンク付き／ドリンクもフードも持ち込みOK）
※出演者はHPをチェック
http://livehousemods.com
予約・問い合わせ：☎098-988-5025