「島ネタCHOSA班」2011年09月15日[No.1381]号
かわいらしくラッピングされた自動販売機を見ました。意識して見てみると、けっこうあっちこっちに店の名をPRしたものがあります。その特徴とかを教えてください。(2011年09月15日掲載)
自販機、看板代わり!?
(那覇市、女性)
いたるところで目につく自動販売機。大きな会社の名が入っているが、質問者がいうように、「あれ、これ、ちょっと違うな」と思う自動販売機も見かける。かわいい絵柄、店をPRした広告が張り付けられたバスや飛行機を「ラッピング」されたというが、同じように自動販売機もラッピングされたものがあるんだね。それを調査しに行こう。
デザインにひかれ
新都心、楽市りうぼう近くにある雑貨屋さん「Fairy Rose」前の自動販売機は目につく。バラの花が散りばめられていて、これはあきらかに普通の自動販売機とは違う。
この販売機に惹きつけられたまま、店に入った。
「お店の看板代わりです」と話すのは、この店の経営者川上陽子さん、京子さん姉妹だ。2008年5月にオープンしたこの店は、バラ、天使のグッズでいっぱいだ。マグカップ、整理用ボックス、タオル、トイレ用品、時計、ろうそく。2人は大好きだったグッズを集めて行くうちに「好きなものに囲まれたい」と思うようになり、店を開いたという。
店先にある自動販売機も大好きなバラをラッピング。自動販売機はペプシ系列だ。会社にイメージを伝えてデザインしてもらったが、提案されたものが2人が想像していたものとは少し違っていた。それならばと店の袋と同じバラの絵をラッピングしてもらったという。
店の前を通る人たちがかわいい自動販売機に目を留めて店に入ってきたり、観光客が写真を撮っていくこともあるという。
もう一つ那覇国際高校近くの居酒屋「目利きの銀次」も渋めにラッピングされた自動販売機があった。ここの自動販売機は駐車場からよく見えるようにと、背面にも店の名が入っているのが特徴的だ。
沖縄は「外」に多い
「サッカーチーム・FC琉球の応援自動販売機としてそのマークをカラーリング(ラッピング)している自販機もあります」と話すのは沖縄ペプシビバレッジの渡嘉敷哲也自販機営業部自販機課長だ。同社はFC琉球のサポートスポンサーになっており、FC琉球がラッピングされている自動販売機の売り上げの一部は活動資金になっているという。
県内の自動販売機は約5万台と言われている。ラッピングをする自動販売機は沖縄だけではないが、他の地域に比べてよく目につく。その理由として「県内の自販機は外に設置されているのが多いからでは」と友利和則自販機営業部フィールドマネージャーは指摘する。また、ラッピングされた自動販売機を新都心でよく見るのは、「新しい街で、そこに集う人々との感性のマッチングもあるのだろう」と友利マネージャーは付け加える。
気候的なものもあるのかもしれないが、自動販売機は繁華街はもちろん、住宅街にも置かれている。店が家の近くになかったときは便利だ。街灯代わりにもなっている。
沖縄コカ・コーラボトリングもラッピングされた自動販売機を設置しているが、設置先の景観に合わせた色やデザインを考慮しているという。
各メーカーはそれぞれ社の「顔」である商品の名をつけた自動販売機を設置しているが、大きな施設、公園、店舗では管理者からの要望で統一感を出すために各社同じ色、デザインがラッピングされた自動販売機を設置しているという。
なるほど、これまで調査してわかってきたことは、ラッピングされた自動販売機は、置く場所との調和が大切、ということだね。
普段何気なく使う自動販売機。ユニークなラッピングのものがあなたの近くにもあるかもしれない。散歩がてらに探してみては。