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[No.1396]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2012年01月01日[No.1396]号

ブーサーシーの秘密に迫る

沖縄にはブーサーシーという沖縄独特のじゃんけんがありますが、普通のじゃんけんとはやり方が違うし、遊ぶ場面も違うと聞きました。一体どういう遊びなのでしょうか? ぜひ調べてみてください。(2012年01月01日掲載)

ブーサーシーの秘密に迫る
(21歳那覇市Kさん)

 ブーサーシー…今はやっている人をほとんど見かけない。

 だけどブーサーシーは普通のじゃんけんとは指の出し方も違うし、どんなときに使われていたのかも気になります。

 そもそもブーサーシーという名前はどういう意味なんだろう。

 うーん。なんだか考えれば考えるほど不思議が増えていくぞ。

 では早速、調査して参りましょう。

 由来は菩薩?

 沖縄の方言を調査し、研究しているという仲原穣さんにお話を伺った。仲原さんは県内5つの大学の非常勤講師を務めているほか、方言文法研究会のメンバーとして全国に幅を広げた方言や歴史についても調査している。

 では仲原さん。まず沖縄にあるじゃんけん、ブーサーシーの名前の由来はなんでしょうか?

 「ブーサーシーというのは、ブーサーがいわゆるじゃんけんで、シーがぽんにあたる部分なんですよ。由来はハッキリとはわかっていないのですが、ブーサーで使う指が菩薩像の手と似ていることから、その菩薩が少しずつなまってブーサーになったという説があります。シーは、ぽんと同じ意味で合図の役割ですね。ちなみに県内の一部の地域では今もじゃんけんをするとき『じゃんけん!しっ!』と言うところもありますよ」

 おぉ!なんだか凄い!ブーサーの名前が菩薩像からきた説があるとは…う~ん神々しい。(↑大げさ)

 女性は加わらない?

 普通のじゃんけんとは遊ぶ場面が違うというのは本当なのでしょうか?ブーサーはどういうときに使っていたんですか?

 「元々は大人がお酒の席で遊んでいたといわれています。負けた人が飲んで盛り上がるというような感じですね。それを子どもが真似して遊ぶようになったのですが、やはりお酒の場のものなので、女性は基本的には加わらなかったといいます。実際に90歳の女性に聞いたところ、男性がブーサーをしていたことは知っていたが、私はじゃんけんしかしたことがないという方もいらっしゃいました」

 へぇ~。なるほど。子どもの遊びだったのではなく、最初に大人が遊んでいたものを子どもが真似したんですね。それに女性は加わらないなんて、それは確かに普通のじゃんけんとは違いますね。

 それぞれの指の出し方には何か理由があるのですか?

 「これはですね、地域によって全然違うようなんですよ。久米島では親指が豚で人差し指がにわとり、小指を蟻に見立てていると答えた人がいたのですが、首里の人に聞くと意味付けはしていないというなど、本当にバラバラで、何が正解かはわかっていないんです」

 え~そんなに変わるんですか。う~ん…不思議だ。

 一体、このブーサーはどうしてできたのでしょうか?どこかから伝わってきたものなのですか?

 「ブーサーのような遊びは、実は日本だけではなく外国にもあるんですよ。本土には虫拳というものがありますし、インドネシアでもブーサーと似た遊びがあります。どちらも昔から存在しているので、いまだにどこが発信源なのか、どう伝わったかは謎なんです」

 えぇ!インドネシアにもあるんですか?深い謎に包まれたブーサー。聞けば聞くほどどんどん興味がわいてきますね。ちなみに、最近は周りにブーサーをやっている人をほとんど見なくなってしまいましたよね。今はもうブーサーをやっている人はいないんですか?

 「あまり見かけませんね。ですが、久米島にいる私の叔父はよくゲートボールをするのですが、メンバーにブーサーしかわからない方がいるようで、順番を決めるときなどはじゃんけんの他にブーサーで決めることもあるそうですよ」

 へぇ~。なんだか楽しそうな光景が浮かびます。沖縄の古くから伝わる伝統的な遊びなので、もっとたくさんの世代につないでいきたいですよね。

 今度仲間たちと一緒にブーサーで盛り上がりたくなった調査班でした。


ブーサーシーの秘密に迫る
★ブーサーのルールはじゃんけんとほとんど変わらない
ブーサーシーの秘密に迫る
仲原穣さん
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