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[No.1402]

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「島ネタCHOSA班」2012年02月09日[No.1402]号

「ボンカレー」は沖縄だけ?

「ボンカレー」が沖縄限定だと聞いたんですが、もっと詳しく調べてもらえませんか?(2012年02月09日掲載)

「ボンカレー」は沖縄だけ?
(浦添市 女性)

 「カレー」と言えば、子どもも大人もみんな大好きな国民食。もちろん調査員の大好物でもあります! 今回はきっとおいしい調査になるに違いない。足取りも軽く、さっそく調査に行ってきました!

 包材も中身も限定

 やってきたのは「ボンカレー」のメーカー、大塚食品(株)の福岡支店沖縄営業所。笑顔で迎えてくれた、支店長の田本修さんにさっそくカレーを注文…じゃなくて、質問する。

 「そうなんです。実はボンカレーは沖縄限定。パッケージだけでなく、中身も限定なのは、意外と知られていないようなんですが…」

 ええっ~!? 中身も? でも調査員が小さいころ、ボンカレーのコマーシャルを見たことがありますよ。確かに全国版のイメージがありますが?

 「ボンカレーは1968年に、世界初の市販レトルトカレーとして発売をスタートしました。沖縄は復帰前で、正確な情報がないのですが、1970年頃から販売されていたようです。その後、約40年の間にボンカレーゴールドなどの新商品が生まれ、本土ではニーズがシフトしていったのですが、沖縄ではずっと変わらずにボンカレーが愛され続けてきました。今では沖縄だけのために、徳島の工場でボンカレーを製造しているんですよ」

 徳島工場ではボンカレーのために製造ラインをひと月に約1日独占。そのたびに機械を洗浄しなければならず、かなりの手間がかかるが、今も43年前と変わらぬレシピ、製法で私たちのもとに届けているという。「正直、メーカーとしては効率が良いとは言えませんが、レトルト食品のパイオニアとして最初に売り出した、わが社にとっては大切な商品。それを愛してくださる沖縄の人々の思いも大切にしたい」と語る田本さん。同社那覇駐在の千竃順二さんも、「ボンカレーが沖縄の未来を一緒に進むためには、沖縄に特化した貢献をしたい」と沖縄限定のパッケージデザインを企画。発売当初から続く、女優の松山容子さんが着物姿でニコッと微笑む昭和チックな雰囲気はそのままに、裏面には沖縄限定がしっかりと宣言された。

 昔なつかしい家庭的な味わいのボンカレー。食べていると、なんとなくホッとするような、温かな気持ちになるのは調査員だけではないはず。

 被災地に届けられた心

 もともと大塚グループでは医薬品なども扱っていて、点滴をつくる滅菌技術を食品に応用できたことから生まれたのがボンカレー。アルミ製の袋を開発したことで、賞味期限2年を可能にした。台風の多い沖縄では、非常食として常備している家庭も多いのでは。

 「東日本大震災では、沖縄からたくさんのボンカレーが被災地へ送られたんですよ」と目を細める千竃さん。震災後、被災地に送りたいと買い求める人が増え、通常の倍近い注文が続いたのだそう。「数あるレトルトカレーの中で、なぜボンカレーが選ばれたのか聞いてみると、原発事故もあって不安なときだからこそ、昔からある安心なものを送ってあげたいという答えだった」という。長い年月の中で築かれた信頼の大きさがわかる。「沖縄のユイマールの心を感じたのと、商品の良さが皆さんの心に届いているのを実感してうれしかった」と笑顔。

 世界初の市販用レトルトカレー「ボンカレー」が発売された2月12日は、レトルトカレーの日。ぜひ沖縄限定の味を楽しんでみては? しかし、調査員はそれまで待てないので一足先にいただくとしよう。


「ボンカレー」は沖縄だけ?
パッケージ裏で「沖縄限定」を宣言
「ボンカレー」は沖縄だけ?
田本 修さん
「ボンカレー」は沖縄だけ?
ボンカレーは、あまくち、ちゅうから、からくちの3種類
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