「島ネタCHOSA班」2012年02月16日[No.1403]号
おでんの季節ですが、沖縄独特の具があれば教えてください。(2012年02月16日掲載)
てびち、ソーキが人気
(30代女性、那覇市)
冬といえばおでんですねー。調査員は大根、ハンペン、こんにゃくなんて好きですが…。それはおいといて、沖縄のおでんに必ず入っているといえば、あれですよ、ほら、豚足、てびちですよ。スーパーの家庭用セット、おでん屋、そしてコンビニのおでんにも。
冬の食べ物に
「沖縄の食卓におでんを乗せた、と自負しています」と話すのは沖縄ファミリーマートブランディング推進室室長の比嘉智さんだ。
沖縄ファミリーマートは今年で25年になるが、かなり早い時期からおでんを置いている。地域によるが、ほとんどの店で1年中おでんを買うことができる。
もともと「おでん」は県外の料理。沖縄ファミリーマートがおでんに沖縄の食材も取り上げるようになったのは16、7年前だという。そのメニューは「てびちの煮付け」。その後も「とろとろ軟骨ソーキ」「厚揚げ」を加えていった。現在は大きな肉団子のような「ジューシーばくだん」もある。特に「おでん沖縄そば」は人気上昇中の商品。
沖縄ファミリーマートでは、毎週おでんの具の人気ランキングを出すが、「てびち」「ソーキ」「沖縄そば」の地元食材はいつもベスト10に入っているという。
「商品担当が試行錯誤しながら沖縄の具にも合うつゆを出しています」と比嘉さん。世代やその時々の事情(流行)なども考慮し味を研究しているという。また、店に陳列する時も「てびち」や「ソーキ」」は味が濃いので、他の素材の風味をそこなわないように、別のポットにいれるなどの工夫もしている。
地元独自の素材は他府県ではあまり見られない。観光客にも喜ばれているという。
比嘉さんは「昼間にちょっと多めにおでんを買って、その日の夕食にも食べる、という人もいるようです」と一例を紹介してくれた。
葉野菜を添えて
沖縄のおでん屋というと「ここ」と紹介してくれる人が多かったのが、那覇市の桜坂にある「悦っちゃん」。店ができて約30年。現在のママさんは2代目だ。店は午後7時から。平日は午前1時、週末は午前2時まで。
調査員が店に行った日は、開店間もないというのに、すでにママさんは「おでん持ち帰りたいという人が買いに来ているから」とパタパタしていた。
調査員はこの日、「てびち」「厚揚げとうふ」「大根」「こんにゃく」「昆布」「じゃがいも」「たまご」「かまぼこ」「ウィンナー」を食べた。気温が16、7度の寒い日だったので、「おでん」が体全体を温かくしてくれた。店に来ているお客さんも「こんな日に食べると、ほんとに体がほっこりするわね」と話しながらはしを進めていた。
「悦っちゃん」のおでんは12、3種類の具がある。その具と一緒に皿を彩るのが青々とした葉野菜だ。ママさんは、葉野菜が入るのは沖縄のおでんの特色だという。「てびちがあるので味が濃い。それで野菜をいれるんですよ」と教えてくれた。
沖縄のおでんに「てびち」があるのは、県外でもよく知られていて、「悦っちゃん」に来る観光客にも人気が高いという。口こみやインターネットで調べて「てびち」を食べにくる。ここに来た人たちがリピーターになって、また新しい人を連れて来て…と、「沖縄のおでん」が広まっている。
コンビニやおでん屋で1年中食べられるおでん。汗をかきながら、夏におでんを食べるのもいいが、寒いときに食べると体も気持ちも温かくなり、「やっぱり冬はおでんだなあ」と思う。