「島ネタCHOSA班」2012年04月19日[No.1412]号
旭橋交差点に小さな風車があるのですが、何の目的で誰が設置しているのかといつも気になります。調べてもらえませんか?(2012年04月19日掲載)
旭橋に小さな風車!?
(宜野湾市Sさん)
はて、風車? どこ、旭橋? ハテサテと同じ呪文をくり返す調査員。呪文を唱えたところで、魔人が現れて解決してくれるわけでもなし。現地に行ってみようではありませんか!
ということで、訪れた旭橋交差点。依頼文によると、国道58号の西側、「ゆいレール」のエレベーターの裏、フェンスに囲まれた中にあるらしい…書かれている通りに探してみると、発見しました! 謎の施設と柱、そしてその柱の先には、確かに小さな白い風車がクルクルしております。
これは一体なんじゃろかいな?ビル風の調査? いや待てよ…そうか! すぐ側には「ゆいレール」が。その関連ではないか?そうや、そうに違いないやないけ!け~けっけっけ。と、うれしさのあまり少々、下品な笑いを響かせながら、すぐさま旭橋駅の駅務室へ。
ところが「いやぁ。あれはうちのモノではないですね」との回答。そんなハズはない! などと無茶な理由で食い下がる調査員。すると、優しい駅員さんが、国道沿いのものなので、国道事務所にたずねてみてはいかがでしょう? とアドバイスを。早速、電話してみると…「はい。うちのモノですよ」YES! ありがとう駅員さん!
大気汚染を調べる?
調査員を出迎えて下さったのは南部国道事務所調査第一課課長の眞栄里和也さん。もう逃すモノかと鼻息荒く、あれは一体なんぞや? と尋ねてみた。
「あの施設は東町大気観測施設と言いまして、車の排気ガスによって大気が汚れていないかどうかを確認するためのデータを採取する施設です。大気中の二酸化窒素(NO2)や浮遊粒子状物質(SPM)などの量を計測して、記録します。また、どのような環境下で採取されたかを知るために風向、風速、気温、湿度、雨量も同時に記録していまして、当該の風車は、その風向風速計です」
なるほど~。で、その観測はいつごろから始められたんですか?
「2004年の2月からスタートしました。ただ、現在は休止中なんです」
な! 今はやっていないんですか?
「はい。09年度が最後になりますね」
それは、なぜなんでしょう?
休眠=安心?
「データの採取も大切ですが、重要なのは、その内容が、環境省の定めた基準値を超えていないかと言うことなんです」
ふむふむ。その基準値というのは?
「例えば、NO2の場合、1時間ごとに採取した量の1日平均が0.06ppm以下であること。同様にSPMは0.10㎎/㎥以下であることと設定されています。もしそれを超えているなら、何らかの対策を練る必要がありますが、09年2月に採取したデータの最高値はNO2が0.037ppmまた、SPMは0.031㎎/㎥と、いずれも大きく下回っています。さらに、那覇西道路(那覇うみそらトンネル)も完成したこともあり悪化する要因は見つからない。実際に交通量の調査でも減少していることから、休止中ということなんです」
ほ~。つまり休止しているということは大気の環境は良いということでしょうか?
「はい。そういうことになります」
交通量の増加要因が少しでも確認されれば、すぐに再稼働できるように施設は残しているんですと笑顔の眞栄里さんに見送られて庁舎を出た調査員。スッキリと晴れた青空を見上げながら深呼吸してみたのでした。