「島ネタCHOSA班」2012年04月26日[No.1413]号
最近県外から引っ越してきたのですが、沖縄のコンビニやスーパーはアイスの種類が多い気がします。限定アイスはどのように作られているのですか?(2012年04月26日掲載)
限定アイスどう作る?
(30代 那覇市 C・N)
温暖な気候の沖縄で、夏場は特に冷たいデザートが人気です。レストランやカフェでいただくスイーツもおいしいけれど、コンビニなどで手軽に買えるアイスバーは、子どもの頃に戻ったかのようなどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
種類も豊富で定番商品だけでなく、新商品や限定フレーバーも毎年のように生まれる庶民の味方アイスバー。
オリジナリティー溢れるアイスはどのように作られるのか、浦添市の沖縄明治乳業にお邪魔して聞いてみました。
「当たり」にワクワク
同社で扱っているアイスは主要商品で約30種類ほど。県産シークヮーサー果汁を使ったアイスバー「シークァーサースティック」や、以前CHOSA班でも取り上げた「アンパンマンスティック」は、県内でしか買えない限定商品で、30年以上愛され続けるロングセラー商品です。
これらの商品を開発するのは、同社企画課商品開発メンバー。まずはじめに、こんな商品を作りたいという案を出し、具体的な開発を進めていきます。実際に試作品を作り、メンバー全員で試食をして、「もうちょっと甘みを」「もっとすっきりさせたい」など意見を交換しながら試行錯誤を重ねていきます。
「沖縄にこだわり、県内企業だからこそできるような地元密着の商品開発をしていきたい」と話すのは、企画管理部企画課の比嘉彩夏さん。子どもたちに親しんでもらえるよう、60円~100円の低価格のアイスが多いこともこだわりの一つという。「当たり付きの商品が多いところもそうですね。私たちが小さい頃も、アイスバーの棒に当たりのマークが入っているかどうか、ドキドキしながらアイスを食べたものです」。子どもたちに夢を与えるアイスバー。そのおいしさとワクワク感は今も昔も変わりません。
サンゴの保護活動も
今年発売された「35コーヒーカフェオレアイスバー」は数量限定で、売り切れ店舗が続出するなど「幻のアイス」として話題を集めています。
八重瀬町の宗英道とのコラボレーションで実現した商品で、沖縄のサンゴ焙煎コーヒー「35COFFEE」を使用しているのが特徴。
「昨年、限定で発売した第一弾の35コーヒーアイスバーも商品があっという間になくなってしまうほどの人気でした。今年はカフェオレ味のラクトアイスをホワイトチョコでコーティングして、よりマイルドなカフェオレアイスバーに仕上げています」と比嘉さん。ザクザクとした食感を出すため、アイスの中のコーヒー豆一粒一粒にホワイトチョコをコーティングするという特殊な技術を使っています。
また、味だけでなく、パッケージデザインにもじっくり時間をかけています。今回のカフェオレアイスバーは子どもだけでなく、大人も手に取りやすいシンプルなパッケージに仕上げました。
宗英道担当者も交えて何度も改良を重ね、ようやく完成した自信作。売上の一部はサンゴ再生支援金として使われるとのこと。
「地元企業と協力し合って沖縄のためになる商品を作ることができて、うれしく思っています。これからも沖縄らしさを前面に出し、地元の人に愛される商品を作っていきたいです」と比嘉さんは話します。v
同社ではアイスバーの他にも、「花笠食堂アイスティー」や「やんばる食堂レモンティー」などドリンクの種類もとってもユニーク。沖縄の老舗食堂で親しまれている味を再現するというアイデアも地元企業ならではです。
ちなみに、これらの沖縄限定商品は観光客にも人気。「沖縄旅行で食べて忘れられないが、取り寄せることはできないか」という問い合わせも多いそう。ただ、冷凍商品なだけに、インターネットなどでの注文には今のところ対応していません。
そろそろ冷たいアイスが恋しい季節。県民だけの特権を味わってみてはいかがでしょうか。