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[No.1462]

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「島ネタCHOSA班」2013年04月11日[No.1462]号

むつみ橋通りにオブジェ!?

 以前、レキオで特集していた、むつみ橋通りの12個のオブジェを探しに行きました。少しぎょっとするほどリアルだったのですが、そもそもなぜ、このオブジェが設置されているんでしょうか?

(那覇市 Rさん)

むつみ橋通りにオブジェ!?

 Rさんのおっしゃる通り、2012年8月16日発行の「商店街へ行こう」で紹介しています。確かに、12体のオブジェがあるので探してみようとあります。いや〜、実際に探しに行っていただけるなんて、調査員、感激です(涙)。

通りの将来考えて

 感涙にむせびながらやってきたのは、那覇市牧志にあるむつみ橋通り。国際通りから一歩入ると、向かって右手にど〜んと「マングース」がお出迎え。そして、「ヤンバルクイナ」「ジューミー(サキシマカナヘビ)」と続きます。かなり精巧な作りで、Rさんがリアルだと指摘するのも納得。かわいくデフォルメされているわけでもないしなぁ…。なんて思いながらテクテクと歩いてたどり着いたのは「ヤシガニ」が目印のお店「SARA(サラ)」。同通り商店会の会長、泉川貞子さんのお店です。

 以前、紹介した際にはとれていた足もしっかり元通りになった「ヤシガニ」の下で、依頼内容を説明。すると、「それなら、私じゃなくて渡慶次さんに聞いたほうがいいわね。さぁ、案内しましょう」と言うが早いか、軽やかな足取りで歩き出した泉川さんの後ろを、またテクテクと歩いていく調査員。

 「ここですよ」と泉川さんの指す先には、「手作り昭屋」という店舗。現れたのは同商店会役員も務めている渡慶次弘子さん。もしかして渡慶次さんが発案者なんですか!? と質問開始。

 「私が発案者というわけではなく、商店会で会議を重ねて、作ったんですよ(笑)」

 ふむふむ。商店会のメンバーで会議を。なぜそのオブジェ会議が始まったんです?

 「きっかけは、むつみ橋通りの将来を考えたことからです。今から3〜4年前になりますが、当時、この通りは人通りこそあっても、ほとんどの人が素通りで、それも大人しか通らず、子どもの姿を見なくなっていたんです」

 ふ〜む。さみしいことですよね…。

 「私が小さいころは、お客さん同士や、商店主と子どもたちの会話でにぎやかな通りだったんですよ。それは、人と人との接点が多かったからこそだと思ったんです。そこで、まずは接点を作れないか? からスタートして、名物にもなるしとオブジェを置くことになったんです」

 でも、オブジェってもう少しかわいらしくデフォルメされたものが多いですよね? 

 「そうかもしれません。でも、かわいくて目立つだけだと、会話を増やすことにつながらないと考えたんです。きれいな魚を作って、泳がせようという話もあったんですが、『キレイだね』で終わってしまうじゃないですか。だったら、身近なもので話の種にしてもらおうって」

会話と学びを両立

 ふ〜む。身近なものですか。

 「ええ。たとえば、うちの店の上にはキノボリトカゲがいます。『今は、なかなか見ることができないですけど、昔はたくさんいて簡単に見つけることができたんだよ』って大人から子どもに教えることもできるし、大人同士でも昔を懐かしむこともできるでしょ?」

 なるほど! 懐かしさも感じられて、学びのきっかけにもなる。世代を超えて会話ができるということですね!!

 「その通りです。学びのきっかけだから、造形リアリティーを追求していますし、『マングース』の次に『ヤンバルクイナ』を設置するなど並びにも意味を持たせています」 

 ヤンバルクイナの減少はマングースが食べちゃうからでもあるんだよって教えながら見ることができるってことですね!

 「そうなんです。ジューミーが通りの上を横切って設置されているのも、あのぴゅっと飛んで逃げる姿をイメージしているからです(笑)。大人が満足するだけじゃなくて、子どもと一緒に楽しめる場所にすることで、本当に活気があふれる通りにしていけると思っています」

 いやぁ〜、Rさん。12体のオブジェには、人の目をひきつつ、人と人とのつながりをも生み出すためという、同通り商店会の人々の深〜い思いが隠されていました。


むつみ橋通りにオブジェ!??
足が復活した「ヤシガニ」
むつみ橋通りにオブジェ!??
チロリと舌を出した「アオダイショウ」
むつみ橋通りにオブジェ!??
渡慶次弘子さん
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