「島ネタCHOSA班」2013年11月28日[No.1495]号
パーキンソン病の患者さんたちが、楽しみながらリハビリしていると聞きました。楽しいリハビリってどんなものでしょうか? ぜひ見てきてください。
(ナースの母さん)
難病リハビリに卓球!?
リハビリというと、ケガや病気で体が動きにくくなった人が、動かす訓練をする、というイメージがあります。難病のパーキンソン病のリハビリもそんな感じなのでしょうか? でも「楽しそう」とは? 当事者と家族らでつくる「全国パーキンソン病友の会」県支部なら知っているかもしれませんね。
同支部事務局に尋ねると、那覇市新都心地域の琉球新報販売所でやっているとのこと。意外と身近だった!? でも新聞販売所でなぜ? とにかく行ってみましょう。
外に出る機会に
那覇安里・泊販売所に来ました。うーむ、外観は普通の事務所です。入ると、引き戸で区切られた部屋に卓球台2台。コンコンとリズミカルにボールの弾む音が響いています。まるで卓球教室のよう。スコアを付ける人、順番を待つ人など14人ほどがいました。販売所の業務は引き戸の向こう側で行われているようです。
県支部支部長で自身も当事者の又吉忠常さん(57)に話を聞きました。
なぜここで卓球をしているのですか?
「4年ほど前、パーキンソン病を発症した人の家族から、その人が家でふさぎ込んでいるという相談がありました。何とか外に出てもらいたいと『何が好きですか』と尋ねたら『卓球』だと。それで始めたんです。今は毎週金曜日に開いています」
なるほど。一人の声が始まりですか。
「それだけではなく、卓球はパーキンソン病のリハビリにとても良いのです。この病気では、筋肉がこわばったり、逆に手足が揺れたりするのですが、向かってくるボールには反射するのです。リズムに乗ると体が自然と動きますよ」
他にも動きが遅くなったり、バランスが取りにくくなったりする症状もあるそうです。確かに、台まではゆっくりと歩いていく人も、ラリー中は自然な動きでボールをはじいています。(私よりうまい!)ところで、販売所でやっているのは、なぜ?
「初めは地域の体育館に通っていました。でも販売所関係者に友の会の仲間がいて、紹介してもらいました。空き時間に無料で場所を借してもらっているので、本当に助かっています」
交流も兼ねて
参加者は、患者本人やその家族とのこと。ぜひ皆さんの話を聞きたい。
伊志嶺春勇さん(84)は始めて3年ほどといいます。「週に1回、みんなとプレーしたり、話をしたりするのが楽しい。みんな、友達です」とニッコリ。
実は卓球の効果は全国的にも注目されていて、パーキンソン病患者の全国大会も開かれているほどらしいです。その大会で3位になった強豪もいました。糸満市から通う桑原裕美さん(60)です。「パーキンソン病は筋肉が硬くなるので、卓球をすると遊びながらほぐすことができます。楽しいし、気持ちがいい。いい運動になります」と話してくれました。
練習では、それぞれのレベルに合わせて、楽しみながらプレー。宮城幸徳さん(79)は「あまり上手ではないけれど楽しいですよ。病気の進行を遅らせるためにも、こういう活動が大切ですね」とのこと。他にも「病気に不安がある時も、一人で考え込むより、ここで吐き出すことで気持ちが楽になります。卓球だけでなく、交流も兼ねています」と話してくれる人もいました。
約3時間半、交代しながら楽しんで終了。心なしか、皆さんの表情が始まった時より生き生きとしていました!
パーキンソン病は、原因や治療法が未確立の難病で、厚生労働省の「特定疾患」に指定されています。県福祉保健部薬務疾病対策課によると、重症度を示す5段階の指標「ヤール」で3以上のパーキンソン病関連疾患を含む登録者は県内に1274人います(2013年3月末)。今回の取材で出会った皆さんは、楽しみながら体を動かしていました。他の患者さんたちもそれぞれの方法でリハビリをしてほしいと願う調査員でした。