「島ネタCHOSA班」2014年07月17日[No.1527]号
ガソリンスタンドで気になる看板を見つけました。浦西中学校の近くにあるのですが「あご」「出(だ)し汁」「のめるSS」とあるんです。尋ねる勇気がないので代わりにお願いします。
(渚のバルコニー女子・30代)
給油所で「出し汁」!?
最近は思わず教えたくなるインパクトのある看板が増えましたね。依頼を受けてうわさの給油所に行ってきました。確かにデカデカとした看板。浦添市前田の出光浦西SS。これはツッコミ待ちでしょう! というわけで、浦西石油社長の棚原実さんに話を聞きました。
駄菓子や大根、陶芸も
もう率直に聞いちゃいますが、「あご」「出し汁」「のめるSS」って何ですか?
「これはそのまま、あご(トビウオ)出汁(だし)が飲めるサービスステーションということです」
意味深だったわりにはド直球の回答! 何でよりによってダシなのでしょうか。
「給油所で軟水のミネラルウオーターを販売しているんですけど、水があるとなれば次は出汁だ! と思って1年ほど前から販売を始めました」
普通はコーヒーとかに落ち着きそうですが、そこで出汁というのが社長の腕の見せ所。これまでもいろいろな物を取り扱ってきたそう。
「駄菓子やパンもそうですが大根とかも売ってましたね。ゴルフボールだけ売ったこともあります。あれは売れたね、たまごっちの類似商品!」
そう言って笑う棚原さん。確かに当時類似商品がかなり出回っていたのを思い出しました。笑うほど売れたよう。
「自分で作った陶芸作品を展示販売したこともあるねぇ」
実は棚原さん、沖展にも出品するほどの実力の持ち主。給油所で個展チックになったのだとか。何というこのバイタリティー。
「このあご出汁、県内ではここでしか扱っていないんです。今では固定客が付いて、出汁を買うついでにガソリンを入れるといったお客さまもいらっしゃいます」
看板にある通り、店内では温かい出汁を試飲することができます。調査員も飲ませてもらったところ、これが超おいしい(笑)。鳥取産のあごの他、本枯かつお節、枯割さば節、利尻昆布、香信シイタケがブレンドされておいしさに厚みがあって奥深い。私も1袋頂いて帰りました。
「おこめ犬」現る!?
取材を終え気持ちも晴れて帰路につくと、またもやすぐ近くのガソリンスタンドで気になる看板を発見。デカデカと「おこめ犬」。なんだこれ。今日はわれながら手繰り寄せる! 勢いづいてしまった調査員はこちらにも突撃。
西原町翁長のおながSS。早速、店長の湧稲国(わくいなぐに)安孝さんに話を聞きました。。
この「おこめ犬」の看板は一体何でしょうか。。
「県内唯一おこめ券が利用できる給油所として、キャラクターを作りました」。
「券」をわざわざ「犬」にしたら分かりにくくないですか?。
「そっちの方が目を引き付けるかなぁと思いまして。また、けっこうお店の前が渋滞しがちなので、ドライバーさんにゆとりを持ってもらいたいという気持ちもあります」。
なるほど、季節によって花を植えるなど通りを楽しませているそう。。
このデザインは誰が考案したんですか?。
「これは知り合いの当時小学校高学年の息子さんにラフに書いてもらいまして。お米の輪郭をした犬なんですけど、猫と間違われることもあって。でもそこまでこだわりはないので、見た人の価値観を尊重したいです」。
この寛大な心と包容力。そんな湧稲国さん、浦西SSに「あご出汁を出してるのなら、長いあごのキャラクターを作れば良いのに」とアドバイスまで飛び出す始末!。
これからの展開に目が離せない! 浦添・西原地区のガソリンスタンドではステキなアイデア合戦が続きます。