「島ネタCHOSA班」2015年4月9日[No.1564]号
久しぶりに沖縄市のコザ十字路を車で通ったとき、巨大な壁画ができていたので驚きました。それには「コザ十字路絵巻」と記され、いろいろな絵が描かれています。何のために作られたのか気になるので、ぜひ調べてください。
(那覇市 えりまきまきさん)
コザに新名所誕生!?
沖縄市で育った調査員にとってコザ十字路は、学生時代の通学路。商店街で道草した思い出がある場所です。どれくらい大きいのか、夢を膨らませながら沖縄市へ車を走らせました。
コザ十字路巨大壁画!?
コザ十字路に到着すると、「これはスゴ〜イ!」。想像を超える大きさに思わず声が大きくなります。
国道330号沿いの建物の壁面に、龍や琉球王朝時代の沖縄、昔のコザの様子が生き生きと描かれています。壁画を眺めている親子や写真を撮るカップルもいます。コザの新名所となりそう!
壁画の誕生について、沖縄市役所を訪ねると、商工振興課の兼城賢信さんと山田義樹さんが応対してくれました。「絵巻は、国道330号の拡幅によって商店街の側面がむき出しになり、景観を良くするために製作されました。雑貨店や美容室、飲食店など12店舗の壁面に描かれています」
店の協力を得るのは、大変だったのでは?
「商店街を良くしたいという気持ちの現われもあってか、喜んで協力してくれました。デザインのテーマは、コザ十字路の歴史文化です。琉球王朝時代、コザ十字路周辺が造られた様子、黒人街として栄えていた時代、絵巻に登場した人物が時を超えて交流する様子が表現されています」
壁画に登場するモデルが気になりますが…。
「モデルは銀天街でそうざい店を営む城間さんです」
絵のモデルに会いに銀天街へ向かいました。
知らなかった事実
銀天街の中にある通称・そうざい通り。天ぷらや弁当、菓子店が並び、昔にタイムスリップしたかのよう。
サーターアンダギーがおいしそうに並んだ店を見つけました。あの…、壁画のモデルになった人を探しているんですけれど…。
「え?それ、僕だよ」
こんなに早く見つかるとは! モデルになったのは「そうざいの店三幸」の城間幸隆さん。
「僕がモデルになったのは、絵が完成してから分かったんだよ。デザインした林僚児さんが、僕だったら大丈夫と勝手に描いていたんでね。完成した絵を見て、すぐに自分だと分かったよ〜」と笑います。
想定外の展開に拍子抜けした調査員。気心知れた仲だからこそできること。商店街には、コザの街らしい温かな人と人の関わりが残っていました。
未来を見つめる龍の目
次に向かったのは、壁画を製作した看板店「サイン沖縄」。代表の大城貞夫さんが迎えてくれました。
巨大壁画の製作で、特に苦労したことは?
「建物が老朽化していたので、修繕工事やら防水処理が必要になった。工事で時間と労力が掛かったね」
製作には、どんな人が関わったのでしょうか?
「初めは壁画のプロだけで製作していたけれど、途中からボランティアも加わりました。そうすることで、皆が銀天街に足を運ぶ機会になるからね。龍の目入れには、それぞれ好きな色を入れてもらったんだけれど、出来上がったらビックリ! カラフルな目になった。銀天街の未来が龍の目のように、キラキラとしたものになるといいね」と目を輝かせます。
コザ十字路絵巻には、コザの活性化を願う大勢の人たちの夢や希望が込められていました。