「島ネタCHOSA班」2015年06月18日[No.1574]号
那覇空港の国際線でビーグル(犬種)が活躍していると聞きました。犬好きの私は、どんな働きをしているのか気になります。ぜひ、調査班で調べてください。
(犬好きさん)
スヌーピー犬が那覇空港で活躍!?
小柄な割にはがっしりとした体格。大きな垂れ耳が特徴的なビーグルは、スヌーピーのモデルになったことでも有名です。
空港でどんな活躍ぶりを見せているのでしょうか。インターネットで調べてみるとその正体は「検疫探知犬」であることが分かりました。
嗅覚に優れる相棒!?
「検疫探知犬」は、ハムやソーセージ、肉類などの動物検疫対象物とマンゴーやリンゴなどの植物検疫対象物を国外から持ち込まれないように、嗅ぎ分けて探知する犬のこと。それらの対象物を発見することで口蹄(こうてい)疫や鳥インフルエンザなど家畜の伝染病やミカンコミバエ、ウリミバエなど害虫の日本への侵入を防ぐのです。ビーグルは「嗅覚ハウンド」の仲間で、「鼻利き」がいい「犬のおまわりさん」です。さっそく合いに行ってみましょう!
初めに訪れたのは、検疫探知犬の訓練所がある那覇市の動物検疫所。沖縄支所の高橋雅志さんと小平明宏さんが案内してくれました。
どんなビーグルに合えるのかワクワクしながら建物の中に入っていくと、現われたのはとてもキュートなラスティーとシーザー。世話や検疫探知活動を行う「ハンドラー」を池田舞美さんと島袋望さんが務めます。ハンドラーと探知犬は、いわゆる仕事の「相棒」です。
愛らしい2匹の表情に思わず、頭をなでたくなった調査員。しかし、高橋さんが「探知犬は、ハンドラー以外が触れることはできません」と話していたことを思い出しました。探知犬が業務に集中できるように、周りが注意しなくてはいけないことだといいます。
2匹はどのようにして探知犬になったのでしょうか。
「2匹はオーストラリアで訓練を受けた後、能力試験に合格し、探知犬になりました」と高橋さん。
試験に合格したエリート犬だったのです。訓練の様子を見学させてもらいましょう。
ほめて能力伸ばす!?
検疫対象の肉とそれ以外の食品が入った中身の見えない箱が地面に9個並べられました。探知犬の制服・コートを身にまとったビーグルがハンドラーの「ゴー」の合図で、箱を一つ一つ嗅ぎ回り、対象物を見つけると、その横に座りハンドラーに知らせました。
ハンドラーは「グッドボーイ」と体を大きくなでてほめ、失敗したら「ノー」と言い、訓練を重ねていきます。「できたときは、必ずほめてあげることで、犬は学習します」と池田さん。
また、探知犬はコートを着ると仕事モードになるといいます。へ〜っ。人間みたいですね!
その後、空港へ向かい探知業務の開始です。探知犬はスーツケースやバッグを「クンクン」と嗅ぎ回り、肉や果物を探します。探知活動中は探知犬にとってとても楽しい時間だそうです。ハンドラーは時々、探知犬とスキンシップを取りながら業務を行っていました。犬のモチベーションを上げるために必要なことだといいます。
検疫探知犬が那覇空港に導入されて約3カ月。高橋さんは「5月22日まででソーセージやハム、チキン、豚肉、鶏肉など41件、約27キロの検疫対象物が探知できた」と、2匹の活動を評価します。
探知犬は「人間の力では見つけられない検疫対象物を探せる頼れるパートナー」(池田さん)、「会社の同僚みたいな存在」(島袋さん)と話します。
日本の農作物や家畜を守るために今日もラスティーとシーザーは働きます。空港で見掛けたら触ったり、驚かせたりせず温かい目で見守ってくださいね。