「島ネタCHOSA班」2015年10月15日[No.1591]号
沖縄キリスト教学院大学に野球部が創設されたそうです。私の時代のキリ学といえば、女子学生ばかりのイメージですが、今はどうなっているのでしょうか。野球部を中心に調査してほしいです。
(沖縄市 あさひさん)
「キリ学」に硬式野球部!?
「キリ学」の呼び名で県民に親しまれる沖縄キリスト教学院大学。確かに、女子学生が多いというイメージがあるので、野球部創設とは驚きました。何はともあれ、キャンパスに行ってみましょう!
創設ほやほや
というわけで、西原町の小高い丘の上にあるキャンパスを訪れた調査員。いやー、皆さん若い!調査員もかりゆしさえ着ていなければ、まだまだこの中に溶け込めるはずなのですが…。(え、ムリ?)
キャンパス内には、思ったより男子学生の姿も多く見かけます。日本野鳥の会よろしく、学生数をカウントしようかと思ったのですが、不審者として通報されてもアレなので素直に大学関係者に問い合わせることにしました。
「本学は女子学生の割合が多いためよく女子大と間違われるのですが(笑)、創設当時から共学なんですよ」と企画推進課主任の金城太さん。
今年の9月の時点で大学には159人の男子学生が在籍しており、男子学生の比率は17・5㌫。さらに人文学部の英語コミュニケーション学科では、25.4㌫と、実に4人に1人が男子学生という割合。加えて短大も1割は男子学生とのことなので、これだけ男子学生がいれば、確かに野球部もできそうですね!
野球部について尋ねてみたところ、創設は今年の6月5日。まさに生まれたばかりのフレッシュな部です。8月には九州地区大学野球連盟にも認可されたとのこと。
正式名称は硬式野球部。10月の新学期から本格的に練習を開始するとの情報をゲットした調査員は、初回のミーティングを直撃!
この日は、22人の部員のうち、15人が集合。キャプテンを務めるのは、城間盛悟さん=英語コミュニケーション学科3年。留学先だったカナダのバンクーバーで硬式野球部創設の話を聞き、「キャプテンをやるしかない」と立候補したそう。いやー、頼もしい限りです!
集まった部員の中には、マネージャーを務める4人の女子学生の姿も。といっても、高校の部活の女子マネージャーとは異なり、中心の役割は選手の自己管理を促すこと。1人のマネージャーが2人程度の選手を担当し、個人練習の進捗(しんちょく)状況を監督に報告するという方式だそうです。秘書みたいでかっこいいですね!
マネージャーの1人、仲眞菜々子さん=英語コミュニケーション学科4年=は、「選手のマネジメントを経験することで、就職してから役に立つと思い参加しました」とりりしい表情で話します。
部活動×キャリア教育
今回の硬式野球部創設の仕掛け人が、監督の金城雄彦(たけひこ)さん。金城さんは、過去に名桜大学の硬式野球部を立ち上げ、ゼロから九州地区大学野球選手権大会でチームを準優勝に導いた実績の持ち主です。現在は沖縄キリスト教学院の総務課課長として、キャリア教育にも目を向ける金城さん。「地元で野球を続けたい球児の受け皿になりたい。1年生から活躍できるのも売り」という動機と共に、「就職に強い選手(学生)の育成が目標」と部の方針を説明します。
「本学には、グラウンドもまだありません。でも、グランウドがない大学が強くなったら面白いでしょ?」と金城さん。その目は真剣です。
「環境が十分でない中で勝たないといけない状況に、部員はジレンマを抱えて日々葛藤するでしょうね。でも、社会人になったら、いつもいい環境で仕事ができるわけではないんです。環境は自分で作るもの。部の活動を通して人間力を高めて、企業から求められる人材になってもらいたい」と部員へ期待を寄せます。
グラウンドはないものの、年内には、校舎の屋上に人工芝のブルペンも完成予定。「来春の初公式戦で勝利するため、全力を注ぎたい」とキャプテンの城間さん。これからの活躍が楽しみです!