「島ネタCHOSA班」2016年05月12日[No.1620]号
地元である那覇市の古波蔵を散歩していたら、テナントビルの中に野菜工場らしきものを見かけました。室内いっぱいに緑があってきれいでした。どんな施設か興味があるので調べてください!
(那覇市 キウイパパイヤマンゴーだねさん)
テナントビルに野菜工場!?
調査依頼には、野菜工場の場所を示す手描きの地図が添えられていました。それを頼りに向かったのは、古波蔵通りを漫湖公園側にひとつ入った道。
しばらく辺りを歩き回ると︱。ありましたありました! テナントビルの1階に栽培棚が20台あり、光に照らされた鮮やかな緑がどこか都会的なオシャレな雰囲気を漂わせています。入り口の案内を見ると、野菜の直売も行っている様子。ここは一体なんの施設なのか、調査員はさっそくお話を伺いました!
知恵絞り手作りで
「この施設は『ドリームファームそてつの風』といって、土を全く使わない水耕栽培が特徴の野菜工場です。光源は蛍光灯だと熱を持つので、LEDを採用しています」とニッコリと話してくれたのは、社会福祉法人そてつの会の理事長、仲眞良勝さん。
「ここは社会福祉法人の作業所も兼ねているんですよ」。施設の利用者に新しい仕事を提供したい、ということで2年前から運営を始めているそう。
「試行錯誤を重ねながら、今では毎日1棚(サニーレタスの場合100株)が利用者の手によって収穫されていますよ」
ここの野菜は施設以外では買えないんですか?
「そてつの会では、野菜工場以外にもパン製造も行っています。製造したパンを曜日ごとに市役所や病院などで販売しているのですが、その日の朝に採れた野菜も一緒に販売しています」
さて、ここで野菜をいただいてみた調査員。おいし〜い! さっきまで栄養を吸い取っていただけあって新鮮でえぐみがほとんどありません。さらに、室内で栽培しているので、虫除け用の薬剤を一切使用しておらず安心です。
でも、ここはテナントビルの一角ですよね。もっと専門的な設備じゃないと野菜工場はできないと思っていましたが…。
「確かに、野菜工場を導入する際には多額の資金が必要になりますが、職員同士で知恵を出し合ってDIYで完成させてコストを抑えました。棚はアングル(L型の断面をもつ鋼材)ですし、水を循環させるポンプも熱帯魚用ですよ」
ホームセンターで買ったものでできるなんて、驚きです!
自宅でできる水耕栽培
「もっと簡単に、自宅でもペットボトルを使って水耕栽培が楽しめますよ」と仲眞さん。
なんと、レキオの読者にも、ペットボトル水耕栽培の方法を教えてもらえることに! その手順をご紹介しましょう(右の写真参照)。
①角型の2リットルペットボトルをスプレーやペンキで黒く塗ります。黒くすることでペットボトル内に光を通さず、藻の発生を防ぎます。作業は汚れないよう段ボールの上などで行うのがオススメ。
②給水口と、苗を植える穴を2カ所、計3カ所の穴を開けます。カッターやハサミで十分ですが、電動ドリルがあれば便利。
③スポンジに差し込んだ苗を②で開けた2カ所の穴に差し込みます。苗は写真のように、発芽後ある程度成長したものを差し込みます。
④スポンジが水に浸るまで、水をペットボトルに注入します。液肥と空気を溶かしたph6〜7の中性から弱酸性の水を使います。最後に、ペットボトルの給水口から光が入らないようにフタをしておきましょう。
⑤苗は1日12時間以上LEDの灯りで照らし続けます。日々のお手入れは水が減ってきたら継ぎ足すだけでOK。収穫を終えたら、ペットボトルをすすげば次の苗を植えられます。
光源となるLEDは寿命が長く電気代も安価。インテリアとしてもオシャレな室内水耕栽培を、読者の皆さんも始めてみませんか?