「島ネタCHOSA班」2017年12月14日[No.1703]号
一枚まるごと、南城市の玉城をテーマにしたCDアルバムがあるそうですが……。興味があるので調べてもらえせんか?
(南城市 ニライ家内さん)
全曲まるごと玉城のCD!?
南城市玉城といえば、まず頭に思い浮かぶのはてんぷらで有名な奥武島や、清らかな水が流れる垣花樋川。また、琉球開闢(かいびゃく)伝説のヤハラヅカサ、稲作発祥の地と伝えられる受水走水(うきんじゅはいんじゅ)など、歴史ロマンもいっぱいの地域ですね。 でも、玉城をテーマにしたCDアルバムって?
地域の風景を曲に
というわけで、調査員はつてをたどってそのCDアルバムを入手! タイトルは、ズバリ『たまぐすくSong Book(ソングブック)』。
曲名を見てみると……。全20曲の収録曲の中には、「垣花樋川」や「ヤハラヅカサ」といった玉城の名所がそのまま題名となった曲が並びます。
奥武島をテーマにした曲も多く、「奥武島に行こう」、「奥武島の猫」といった曲や、奥武島の名物をテーマにした「こげこげてんぷら」なんて曲も収録されており、あふれる玉城愛に圧倒されます。
曲調はというと、のどかな玉城の風景を思わせるスローなバラードを基調としながらも、ウキウキするレゲエ調のリズムや、ジミヘンを思わせるギターサウンドがうなる曲など、バラエティー豊か。
歌詞にも、エイサーやユッカヌヒーなど玉城の日々の暮らしの風景が織り込まれていますが、調査員が驚いたのは、「♪じゅすいそうすいじゃないよ うきんじゅ はいんじゅ うけみず はしりみずでもないよ うきんじゅ はいんじゅ〜」と、ユーモラスに歌った「受水走水」という曲。名所旧跡を歌ったというと堅苦しい雰囲気を想像してしまいますが、言葉遊びのセンスと相まって、子どもも親しめる楽しい曲に仕上がっています。
一体どんな人がこのCDアルバムを作ったのでしょうか?
作者Cooさんを直撃
というわけで、調査員は作者の佐藤敏幸さんこと「Coo(くー)」さんを直撃しました。 沖縄に引かれ、4年前に栃木から玉城に移住したというCooさん。「栃木にいた頃からいろんな導きで玉城に来ることが多かったんです。移住して住む場所も、玉城一択でした。とにかく、玉城が大好きなんです」と笑います。
栃木にいた時から民謡歌手と一緒にバンドをしていたそうですが、移住後、「自分の音楽をやろう!」とソロ活動を開始。昨年5月にファーストアルバム『オキナワ わたしの島』を発表。そして今年の9月、セカンドアルバム『たまぐすくSong Book』をリリースしました。
「自分が暮らす半径1・5㌔のエリアの大好きなところだけを歌いました。最初に、大好きな奥武島の曲ができて、それから数カ月の間にどんどん玉城の曲ができるようになったんです」
それまでオリジナル曲は年に数曲できるくらいだったのが、あふれるように曲が生まれてきた、とCooさん。ちなみに、作詞・作曲・アレンジはもちろん、楽器も基本的にすべて自分で弾き、録音は自宅のスタジオ。まさに、玉城産・玉城発のCDアルバムです!
「朝起きたら、頭の中にメロディーが流れてきて、それをスマートフォンに録音してできた曲もありますよ」
作詞・作曲というと難しく考えがちですが、実は誰でも簡単にできますよ、Cooさんはアドバイス。「小さい子がでたらめな歌を歌っているでしょう? あれが作詞・作曲です。鼻歌で歌ってスマートフォンに録音して、伴奏はほかの人に考えてもらえばいいんです」。なるほど〜。他の地域でも、どんどんわったーシマの曲が生み出されるとすてきですね。
CooさんのCDをBGMにしばし玉城ドライブを楽しんだ後、穏やかな気持ちで帰路についた調査員でした。
「たまぐすくSong Book」特設サイト https://tamagusuku.amebaownd.com/
CDに関する問い合わせは☎080-3011-9800(たまぐすくレコード)まで