「島ネタCHOSA班」2020年07月23日[No.1837]号
嘉手納町嘉手納の住宅街を車で通りかかったとき、塀に「一銭まちや」と書かれた看板を発見しましたが、店らしきものは見当たりませんでした。名前からして駄菓子屋だと思うのですが、いったいどこにあるのでしょうか? 看板を見たのは嘉手納小学校の近くです。
(宜野湾市 ユウ)
住宅街の「一銭まちや」はどこにある
確かに駄菓子屋っぽいですね。調査員はさっそく、その真相を確かめるべく国道58号を北上。嘉手納町の水釜交差点から嘉手納小学校向けに進んでいきました。
え〜と、看板、看板…あっ! とあるお宅の塀に「一銭まちや」と書かれた黄色い看板が。矢印も描かれています。その方角を見ると、ちょっとだけ奥まった住宅の軒下にお菓子が並んでいるのが見えました。調査員はお菓子に引きつけられるように自然と中へ。
子どもにパワーもらう
おじゃましま〜す。縁側でお店を開いているんですか? 珍しいですね。
「昔は家の縁側でくじ引きとか駄菓子を置いて販売しているところが結構あったんですよ。いつごろまであったかはっきり覚えていませんが、この周辺にもいくつか駄菓子屋がありました。今はうちの他、一軒だけです」と話すのは店主の石川ゆかりさん。開店してもうすぐ4年になるそうです。なぜ駄菓子屋を?
「小学校が近くにあるからやってみたら? と友達に勧められました。それで、最近は駄菓子屋が少なくなっているし、ここにこういう場所があったら子どもたちもうれしいんじゃないかなと思って」
ここにはお菓子、かき氷、飲み物、くじ引きなどいろいろなものがあります。店に来るのはほとんどが小中学生。中にはなんでも言いたい放題の子どももいて、「おばぁ」と呼ばれることが嫌な石川さんは「おばさんならいいけど、おばぁって言ったら『立ち入り禁止』」と言うそうです。「それでも来ますけどね」と笑い、「けんかしながら子どもたちにパワーをもらっていますよ」と楽しそうに話します。
一方、学校であった嫌なことなど話してくる子どもも。
「大人と同じように、子どもは子どもなりにいろいろあるでしょう? 誰にも言えないこととか、先生に言われたことが納得いかないとか…。ちょっとしたことでも、ここで愚痴言ったらスッキリするみたいで、また来るねーと言って帰りますよ」
ここは子どもたちにとってストレス解消の場でもあるんですね。
童心に帰って楽しむ
石川さんは、「小さな子どもが10円握ってガム1個買いに来たり、わずかな予算内で何を買おうか長いこと迷っていたりすることもあります。当たりが出て喜ぶ姿を見ると、こちらもうれしくなって一緒に喜んでいます。元気でいる限り、お店を続けていきたいですね」と話してくれました。
久しぶりに駄菓子屋体験をしたくなった調査員は、はずれなしの「ゴールドチョコレート」を買いました。小さな箱を開けると…ジャジャーン! 10円の金券が当たり、10円の「きなこ棒」をゲット! 「棒の先が赤くなってたら当たりです」と言われ、ワクワクしながらパクッと食べて棒の先を見ると、残念ながらハズレ…。それでも、ほのぼのとした時間を過ごせて大満足の調査員。読者の皆さんも、たまには童心に帰って楽しんでみてはいかがですか?
一銭まちや
嘉手納町嘉手納406-1
090-6861-8539
14時〜19時(不定休)