「島ネタCHOSA班」2023年03月30日[No.1977]号
週刊レキオの「あまくま情報局」のページで「おもちゃ病院in那覇」のことを 知りました。壊れたおもちゃを直してくれるようですが、どんな活動をしている のか興味があります。ぜひ調べてください。
( 那覇市 トイステーション)
壊れたおもちゃを直す病院!?
おもちゃ病院のこと、実は 調査員も気になっていました。 さっそく調査開始です。情報 を基にやってきたのは那覇市 の繁多川図書館。開院前に到 着すると代表の玉城善伸さん ( 70 )がロビーで「おもちゃ病 院in那覇」の準備をしていま した。他のドクターたちも、道 具箱や自宅で修理したおも ちゃを持って集まってきまし た。
思い出の玩具を復元
開院の時間を迎えると、修 理の依頼や直ったおもちゃの 引き取りに来る人が駆けつけ てきました。依頼者は診察申 込書に症状などを書き込んで いき、ドクターはおもちゃの 状態を確認しながら問題を説 明していきます。すぐ直るの もあれば、手術が必要なもの も。「孫のおもちゃが動かなく なった」「子どものおもちゃを 孫にあげたい」「思い入れがあ って捨てられないという人」や 30 年前に今は亡き祖母からも らったゴジラのフィギュアを 持ち込む親子の姿も。それぞ れのおもちゃにストーリーが あり、「是が非でも直したい」 と玉城さんたちも気合が入り ます。
直ったおもちゃに対面した 人たちは「やったー、生き返っ た」「もう動かないと思った」 と笑顔。「二度と同じようなも のはないじゃないですか。助 かります」と金城菊さん( 68 ) は感謝しています。
「おもちゃ病院in那覇」は 初代代表の宮里勉さん( 69 )が 奈良県から帰沖した2019 年に始めたそうです。「定年の 3年前から奈良県のおもちゃ 病院でインターンをしていた ので、沖縄でもやりたいと始 めた」と宮里さん。「日本おも ちゃ病院協会」という全国組 織が主催する研修を受けてド クターになりました。当初 は宮里さん一人で県立南部 医療センター・こども医療 センターで入院する子ども たちを対象に活動していま したが、約半年後におもち ゃドクター養成講座を開き ドクターを募集。集まった ドクターたちと那覇市で一 般向けにも始めたそうで す。現在代表を務める玉城 さんは、宮里さんが半年前 に一時体調を崩したことか ら2代目に。元沖縄気象台 の観測課技術専門官で、退 職後に新聞でドクターの募 集を見つけて、講習を受け たといいます。
今のところ、繁多川図書 館とまーいまーいNaha、 県立南部医療センター・こ ども医療センター(入院患者 限定)の3カ所で、それぞれ月 1回開院しているそう。ドク ターは無償で働くボランティ ア。定年退職した人たちを中 心に、23歳〜 76 歳までの7人 が所属しています。ドクター は航空管制技術官やエンジニ アなどの技術者だった人が大 半。おもちゃ好きが高じてお もちゃ屋で働く最年少の大城 裕斗さん( 23)は社会奉仕がし たいとドクターの養成講座を 東京まで受けに行ったといい ます!
子どもの笑顔が励みに
料金は基本無料で、部品が 必要になる場合、適合するス トックがあれば料金はかから ないそうです。
これまで診断したおもちゃ の数は、495個(3月 24 日現 在)。1日に約 10 〜 20 個の持ち 込みがあるそうです。直る確 率は 95 ㌫。 30 ㌫は電池ボック スが原因で、電池の液漏れや さびによる通電不良、 20 ㌫は オンオフスイッチの接触不良で いずれもすぐ直るとのこと。 入院するケースが多く、各ドク ターが自宅に持ち帰り、おも ちゃと奮闘しているそうです。
「直ったおもちゃを見て喜ぶ 子どもを見ると刺激にもなる しうれしい」と宮里さん。「『あ りがとうございます』とか言 われるとやめられないなと思 う」と玉城さんも続けます。思 い出の詰まったおもちゃをよ みがえらせてくれる病院。依 頼人とドクターたちの笑顔が あふれる場所でした。
おもちゃ病院in那覇
・繁多川図書館 第3(土)
10
時〜
15
時
・那覇市人材育成支援センターまーい
まーい Naha 第4(日)
10
時〜
15
時
☎080‐6494‐7749(玉城さん)