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[No.2043]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2024年07月04日[No.2043]号



 沖縄県の島々には、歴史的に育てられてきた雑穀類と豆類があります。新しい作 物の導入や作り手の減少で、その多くが消滅の危機に瀕(ひん)していますが、在来 作物に再び光を当て、未来につなぐ取り組みも始まっています。県内で活動する 「スローフード琉球」の皆さんに話を聞きました。

島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!

することはありますか? 調 査員はあまり食べていない、 というのが正直なところ (汗)。スローフード琉球 (SFR)のメンバーから、 県内には在来の雑穀や豆が 何種類もある、と聞いた時 は驚きでした。詳しく知ろ うと、SFRの皆さんが集 う場を訪れました。

歴史ある作物たち

 今回は7種類の雑穀・豆 類を紹介してもらいました。

 「ツン」は宮古の言葉でキ ビ(穀物)のこと。毎年初収 穫を迎えると、キビご飯や 握り飯にして、仏壇に供えた り、家族に配ったそうです。

 「ウツマミ」は宮古諸島で 栽培される大豆です。沖縄で もっとも古い時代から栽培 されている大豆で、みそや豆 腐の原料でした。

 「ユニ」はアワのこと。伊 良部島佐良浜には旧暦6月 にこれで作った神酒(みき) を供える祭祀「アービューイ 」がありました。甘藷(サツ マイモ)が広まる以前の琉球 では、アワ類は重要な食料 でした。

 「ッフマミ」は宮古諸島に 伝わるササゲ。サトウキビの 農閑期に植え付け〜収穫を します。多良間島ではモヤシ にして食べていたという話 があります。

 「ジーメー」は陸稲(りく とう、おかぼ)のこと。畑で 育てるお米です。旧暦の5 月、6月の祭祀「ウマチー」 で奉納することもあったよ うです。

 「トーヌチン」は本島の言 葉でタカキビのこと。宮古で は「ウプギャン」とも。これ とッフマミを材料に餅菓子 「フチャギ」を作ります。

 「ムチアー」は八重山諸島 の言葉でモチアワ。結願祭、 節祭、豊年祭、種子 取祭といった行事で は、これの穂を奉納 するそうです。

「味の箱船」に登録

 1989年にイタ リアで始まったスロー フード運動。食とそれ を取り巻くシステム をより良くすること を目指し、世界160 カ国に広がっています。 主要なプロジェクトの 一つが「味の箱船」で す。これは地域の希 少な食材を守り、多 様性を維持するため の取り組み。単なる認 証制度ではなく、地 域の記憶をつなぎ、生 産者の誇りを高める ことに重心がありま す。„食の世界遺産“と も呼ばれます。

 7種の作物は、昨 年 12 月に味の箱船に登録され ました。登録に際し中心的な 役割を果たしたのは玉木陸 斗さん。東京農業大学の宮古 亜熱帯農場に所属し、在来作 物の研究者であり生産者で す。7種について、栽培の難し さや収穫量の低さは認めつつ 「病気に強い、粒が大きい、栄 養価が高いなど、将来役立つ 可能性を秘めています」と話 しました。先人たちが育てて きた在来作物には、私たちの 暮らしを助け、豊かにするヒ ントが隠されているのですね。

 現在、7種の雑穀と豆た ちは歴史的・文化的背景も 踏まえながら、小規模な生 産者のもとで受け継がれて います。



※各作物の呼び名は、現在も栽培する地域の言葉に基づいています

“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"

スローフード 琉球について 詳しい情報は こちらから



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“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
ツン
“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
ウツマミ
“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
ユニ
“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
ッフマミ
“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
ジーメー
“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
トーヌチン
“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
ムチアー。70代以上の 方は実際に見たことがあるか もしれません(提供写真)
“島々に伝わる雑穀と豆、知ってみよう!"
7種類の味の箱船登録を発表する ために集合したスローフード琉球の 皆さん(今帰仁村天底のアメソコ・ ネソコにて)
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