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[No.2057]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2024年10月10日[No.2057]号



 以前、三線の天(頭)の部分が国頭村の地形やヤンバルクイナの形をした個性的な三線 を作る知花善光さん(あしび三線ZEN)を紹介しました(2020年2月27日付)。現在、地 元の木でボールペンを作っていると聞き付け、調査に行ってきました。

やんばるの木の端材がペンに!?

 自由な発想でアイデアをど んどん形にしている知花善光 さん。前回は天(頭)の部分 が国頭村の形をした三線や ラインストーンをあしらった 三線、カラクイ(糸巻き)部 分がギターのようなデザイン の三線などを紹介しました。 現在はやんばるの木の端材 を使ったボールペンを精力的 に製作しているとのこと。さ っそく調査開始です。

「もったいない」から誕生

 辺土名漁港近くにある「あ しび三線ZEN」の扉を開け ると、知花さんが出迎えてく れました。工房内には木製の ペンもずらりと並んでいます。 200本弱あるというペンは、 軸を回して芯を出し入れす る回転繰り出し式。材料に 使用するのは、やんばる産の リュウキュウマツ、ガジュマル、 センダン、チャーギ、サクラ、 フクギなど 20 種類以上の木 の端材です。

 自身を「何でも屋」という 知花さんは、県内外でさま ざまなものづくりの職を経験 してきました。その技術を生 かして、「ひらめき」を形にし ています。「1975年前後、 国際通りにあった国際ショッ ピングセンターでジーンズショッ プの店員をしていた」とも言 い、昨年は生地をつなげて縫 製するパッチワークジーンズ も約 50 年ぶりに作り上げま した。

 知花さんが木製ボールペン を作り始めたのは2020 年頃。「三線の残りの材料を 何かに使えないかとずっと悩 んでいた」と振り返ります。 そんなとき、あるテレビ番組 で木製ボールペン作りをする 職人が紹介されていました。 それを見て「ひらめいてしま った」と笑みを浮かべます。 三線の製造過程で出た良質 な端材を再利用する方法を やっと見つけたのです。

 必要なのは5㌢ほどの長 さの木材。自身の三線製作 の端材の他、知人などから 端材を譲ってもらい、ど んどん製作していきまし た。これまでに500本 以上を仕上げたといい ます。

年輪の魅力にひかれて

 ペンを見ていると、木 の材質によって色や年輪 模様、つやなどが異な り、一本一本個性が表れ ています。知花さんは作り始 めてから「年輪にはまってし まった」と話します。最初は、 年輪が面白いように現れると は想像もしていなかったそう で、ますますペン作りに夢中 になっているようです。「木の 切り方で木目が変わるから、 どう切ろうかと考えながら 作っている。年輪の模様が狙 い通りに出てきたり、想像も していなかった模様が出てき たりするとうれしい」と目を 輝かせます。

 さまざまな年輪模様に出 合えることがやりがいになっ ている知花さん。「年輪は人 と一緒でみんな違って面白い。 そんな年輪の魅力をみんな に知ってほしい」と言います。 世界自然遺産に登録されて いるやんばる地域の貴重な木 から生まれたボールペン。知 花さんの商品は「くんじゃん 木ボールペン」として道の駅 「ゆいゆい国頭」でも販売され ています。興味のある人は、 手に取ってやんばるの木の 年輪の魅力に触れてみてくだ さい。



あしび三線ZEN
☎0980‐41‐2853



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“やんばるの木の端材がペンに!?"
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知花善光さん。「沖縄の チャンプルー文化が好き」
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年輪が楽しめるペン
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知花さんが作ったジーンズ
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