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[No.2058]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2024年10月17日[No.2058]号



 昨年リニューアルオープンした「まつだ商店」にはもう行きましたか? 店内はキレイだし、珍しい商品もたくさんあってオススメですよ~! ぜひ 取材してみてください。

 ( うるま市 ヒートゥアイランド)

令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?

 「まつだ商店」は、読谷村 高志保で 67 年間親しまれ、 2020年に閉店した「スー パーまつだ」を、同村在住で 会社経営者の比嘉徹さん が事業承継。「令和のマチヤ グヮー」をコンセプトに、昨年 7月にリニューアルオープンし たお店です。まだ行ったこと がなかった調査員は、この機 会に1周年を迎えたまつだ 商店を訪れてみることにしま した。

 レトロとモダンの調和

 まつだ商店は、昔ながらの 人とのつながりを大切にしつ つ、時代の変化に合わせた読 谷村の新スポットです。コンク リート造りのモダンな外観。 木を基調とした店内には、 裸電球と高窓から差し込む 自然光に照らされた商品が 並び、まさに古き良き商店と いう雰囲気。

 「お客さんから見える部分 はいわゆるマチヤグヮーの様 相ですが、レジシステムなど は完全にデジタル管理。電子 マネーなどの決済もほとんど 使えますよ」と話してくれた のは、店長の照屋雅文さん。 事業承継を行った比嘉徹さ んは義理の父に当たります。

 公設市場をイメージしたと いう広い店内には鮮魚店や 精肉店の他、フルーツジュース の店も入居しており、いずれ もマチヤグヮー特有の相対売 りを大切にしてます。雑貨類 が並ぶコーナーには、トタン 屋根の上に「まつだ商店」の 看板を付け、一つのお店のよ うに見せているのもこだわり のポイント。高齢者向けに用 意したという「ゆっくりレジ」 は、お客さんと店員とがユン タク(おしゃべり)しながら会 計ができ、交流の場として人 気があるといいます。

 「人と人との販売ができる のも魅力。オープン当初から お客さんが困っていたら声を 掛けるなど、スタッフには思 いを伝えています」

 そのかいもあり「また買い 物ができてよかった」、「遠方 まで買いに行っていた商品が ここで買えるから楽になっ た」など、お客さんからの反 応も上々。「地域住人の方を はじめ、観光客など多くの 方々に足を運んでいただき、 高志保に新しい風を吹かしき れているんじゃないかな」と 照屋さんは胸を張ります。

新しい商店のモデルケースに

 昔からある町の魚屋さん や肉屋さんが一挙に集まって いるまつだ商店。「これは一つ のモデルケースになる」と照 屋さんは語ります。

 「今後、離島を含めた沖縄 全体で商店の閉店が多くな ると思うんです。それにより、 買い物難民も出ているし、今 後も増えるでしょう。商売を 通して、社会問題を解決で きたら一番良いですね」と先 を見据えます。

 まつだ商店では、村内で移 動販売車も運行。買い物に 出かけるのが困難な高齢者 などを中心に支援を行ってい ます。

 「理想は何でも屋になるこ とです。買い物に困っている 人って、普段の生活でも困っ ていることがたくさんあると 思うんですよ。困りごとが あったらまつだ商店に行こ う、って思われるくらい、地域 に必要とされるお店にしたい ですね」

 商売を通じて社会貢献に 努めるまつだ商店には、今後 も多くの人が訪れそうです。



“令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?"

まつだ商店
読谷村字高志保300
営業時間=10:00~19:00
☎098-923-1531



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“令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?"
昭和レトロ感漂う店内
“令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?"
店長の照屋雅文さ んはDIY 好きな一 面も。「建築物として も面白いので、建物 マニアの方にも一度 来てほしいです!」 とPR します
“令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?"
快適さにこだわったとい うトイレ。古代遺跡のよ うな壁面は、既存壁のタ イルを剝がした部分を そのまま生かしています
“令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?"
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