「島ネタCHOSA班」2024年12月19日[No.2067]号
琉球史イラストレーターの和々(わわ)さんをご存じですか? 今月22日(日)まで、恩納村文化情報センターで作品展を開催中なので、ぜひレキオ紙面でも紹介してください!絵柄もとてもかわいいですよ。
(那覇市 じーまーみー)
琉球史イラストレーター、和々さんって!?
琉球史イラストレーターとは!?調査依頼の文面には続きがあり、図解・考証イラストから、歴史エンタメイラストまで、琉球の世界を親しみやすい絵で表現しているそう。
古琉球の世界描く
和々さんのホームページがあるとのことなので、まずはそちらをチェック。
すると―。護佐丸や阿麻和利などの武将や琉球王、百十踏揚や聞得大君といったあでやかな女性など、古琉球の人々を描いたイラストが目に飛び込んできました。服装や髪型、持ち物をリアルに描いているのが特徴で、特に服装は緻密に描かれており、例えば武将がまとう鎧(よろい)は「小札(こざね)」という鎧を構成する板の一つ一つに至るまで省略せず、丁寧に描きこまれています。
いろいろな絵柄を使い分けているのも特徴で、アニメ絵風のキャラクターから、リアルタッチの肖像画、さらにはマンガまで。書籍イラストをはじめ、自治体の企画にも関わっており、パンフレットや動画へのイラスト、グッズデザインまで、幅広い活躍を展開している様子です。
考証に基づく描写
プロフィルには「博物館学芸員資格取得。沖縄歴史検定1級、沖縄・世界遺産巡り検定(※当時)1級」とあります。どんな人物か気になった調査員は、インタビューしてみることに。
「私は沖縄出身・在住ですが、琉球史に興味を持ったのは大人になってから。絵はやっていて、学生時代は美術を専攻していました」
えっ、意外です。
「2008年に琉球史にハマって、2年後に琉球史イラストを描き始めました。そのきっかけの一つは、琉球史研究者の上里隆史さんの『誰も見たことのない琉球』(ボーダーインク刊)です」
なぜこの本がイラストを描くきっかけに?
「これまでの一般的な『琉球』のイメージと、研究に基づいた『古琉球』の実像はだいぶ違うということを知って驚きました。当時は、このような考証に基づいたビジュアルで描かれた、古琉球の人物画を目にすることはなかったんです。だから例えば日本の鎧兜(かぶと)姿の阿麻和利などを私自身が見てみたいから描いてみようか、となったのです。なので、服飾考証にはかなりこだわっています」
絵を自身のブログにアップしていたところ、上里さんの目に留まり『琉球戦国列伝』(ボーダーインク刊)の挿絵にスカウト。それを縁に、自治体からも声がかかるように。
絵を描くにあたっては、博物館や史跡を巡ったり、図録や書籍、論文を読んだり、講座に通ったりして勉強。史料がない細部は、同時代の日本・中国の史料も参考にするなど、並々ならぬ熱意で考証に取り組みます。琉球史好きが高じ、あらためて大学に通い博物館学芸員資格を取得したそう。
「琉球史は、歴史の舞台となった場所や偉人がとても身近。自分が住んでいる地域にお墓があったり、同僚に子孫がいたり…。芋づる式につながっていくのが面白いですね。地元ならではの面白さに気付いてほしい」と話す和々さん。「もっと琉球史を盛り上げたい!」と意気込みます。
Pop in Ryukyu select 琉球史イラストレーター 和々作品展 in 恩納村
場所=恩納村文化情報センター
日時=12月22日(日)まで10:00~19:00(土日祝は17:00まで)
入場料=無料
和々さんHPはこちら