「島ネタCHOSA班」2025年01月30日[No.2072]号
国立劇場おきなわで、「かなさん!組踊!」というコメディー劇の公演があるそうです。気になるので調査してください。
(南城市 風車)
組踊を学ぶコメディー劇!?
コメディー劇と組踊⁉ 会場が国立劇場おきなわ大劇場⁉ その意外性に興味を持った調査員は、2024年12月22日の公演を見てきました。客席はファミリーはじめ幅広い層の観客で埋め尽くされ満席。最初から最後まで笑いと拍手に包まれた公演でした。内容を紹介します。
組踊の約束事を実演
舞台はホテルのロビーという設定で、従業員や宿泊客などを演じたのは11人の「よしもと沖縄」芸人。全員が癖のある個性的なキャラクターになりきっていました。
中でも気になったのはアルバイトの「比嘉兄弟」で、兄役のひがりゅうたさん(ありんくりん)と弟役の島袋忍さんは遅刻をしたり、お客さまに失礼なことをしたりとやりたい放題。そんな中ホテル内で組踊公演を開催することになり、国立劇場おきなわ組踊研修終了者「子(しー)の会」から、仲嶺良盛さん(地謡)と知花令磨さん(立方)が登場します。「組踊について知りたい」と比嘉兄弟にリクエストされ、「琉球王国版のミュージカルといわれ、唱え・所作・音楽が合わさった総合芸術です」と仲嶺さんと知花さんは解説しながら実演。感情や動きは極限まで抑え、琉球舞踊をもとに演じるという特徴を伝え「相手の左肩に右手を添える」ことで抱き合う様子を表すシーンを芸人と一緒に試してみたり、小道具の編笠とチーグシ(杖)を使ってお出掛け中を示すと説明したり、組踊の基本を分かりやすく表現しました。
劇中は「子の会」弟子の恋愛話にスポンサー企業の息子が絡むなどドタバタ喜劇が繰り広げられますが、「争うシーンは実際には戦わず、舞台袖に移動して三線の音色と唱えで表現」という組踊のお約束通りに解決。「でぃき〜た〜でぃき〜た」(でかしたでかした)という高らかなひがさんの声で幕を閉じました。
また会いたい比嘉兄弟
終演後に演者のみなさんがロビーで観客を見送っていたので、「比嘉兄弟」を演じたひがさんと島袋さんを直撃しました。
「前のめりに笑ってくれるお客様と素晴らしい劇場、最強の公演でした」(ひがさん)
「敷居が高い劇場というイメージでしたが、演じやすい雰囲気でした」(島袋さん)
今まで組踊に触れる機会がなかったという2人。沖縄の歴史を感じられる側面に興味を持ち、今後は観客として鑑賞したいと話します。
「戦うシーンは見せずに、感情を抑え音楽で表現するなど勉強になりました。でも今回は組踊の表現を理解しつつお笑いのボケを入れる必要があったので、組踊に感動する余裕は全くなかったです(笑)」(ひがさん)
「普段コントを演じることのない、『子の会』のお2人は大変だったと思います。全く世界が違いますからね」(島袋さん)
組踊を楽しく学ぶ機会になるので続けてほしいと調査員の感想を伝えると、島袋さんは「第2回が実現したら、パワーアップしたコメディーを見ていただけると思います。ぜひ比嘉兄弟に会いに来てください」、ひがさんは「組踊にエイサー、いろんな伝統芸能と関わりたいです。みなさんに楽しんでいただけるよう頑張ります」と答えてくれました。お笑いと沖縄芸能のコラボが増えるのは楽しいと、ワクワクした調査員でした。
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