「島ネタCHOSA班」2025年02月06日[No.2073]号
県立博物館・美術館(おきみゅー)のキャラクター「港川人のおじさん」。グッズや展示会の解説などに登場したり、X(旧ツイッター)のアカウントで広報活動をしたりしています。その正体を探りに行ってきました。
おきみゅーの「港川人のおじさん」とは!?
県立博物館・美術館(おきみゅー)のキャラクター「港川人のおじさん」をご存じでしょうか。Xのプロフィル欄によると、住処(すみか)は「おきみゅー博物館常設展示室」、趣味は「釣り。たまに学芸員のジャマをしてあそぶ。隣のパイセン(先輩)としりとり」、特技は「目を見開いたままこんこんと眠れる」とのこと。さっそく調査に行ってきました。
対応してくれたのは、同館指定管理者(一財)沖縄美ら島財団企画班の学芸員、渡久地雅代さん。おじさんのマネージャー的な存在でもあります。おきみゅーの公式キャラクターは「おきみゅーちゃん」ですが、ギャグも言える存在が欲しいと、非公式キャラクターとしておじさんが誕生したそうです。
非公式キャラクター
おじさんのすみかである博物館常設展示室に案内してもらうと、その姿を見ることができました。正体は、八重瀬町で発見された約2万年前の港川人の人骨の人体模型。「新旧2体います」と渡久地さん。旧型は2007年に、新型は最新の研究結果を反映して14年に製作されたそうです。Xでつぶやいているのは新型とのこと。
間近で見るおじさんは身長約150㌢と小柄です。新型は彫りがより深くなり、髪の毛をカールし、貝殻でできたネックレスも身に着けています。手に持つ食料も旧型ではヤンバルクイナでしたが、新型はオオウナギとモクズガニに変化しています。「(新旧ともに)自分の親戚や知り合いに似ていると言う人が多いです」と渡久地さんは話します。確かに他人に思えないかも。
数々のグッズにも登場
港川人は八重瀬町の港川で全身骨格が発見されました。旧石器時代の人骨などが多く発見されている沖縄に は、炭酸カルシウムを多く含む石灰岩が広く分布していて、アルカリ分の作用で骨が溶けずに残りやすいそうです。「沖縄は人類学的に熱い土地として注目されているんです」と渡久地さん。おきみゅーも国立科学博物館などと共同で旧石器人の研究をしているといいます。
おじさんはグッズなどでも大活躍。キーホルダー(07年以前)から始まり、クリアファイル、カレンダー、缶バッジなどのオリジナルグッズやノベルティに登場しています。Xデビューは21年。コロナでしょんぼりした時期を経て、「海とジュゴンと貝塚人」展(21年秋)でXアカウントを貝塚人にのっとられるという事件も発生したそうです(笑)。「みんなの進化展―命はつながっている―」(23年)ではアンバ サダーに就任。開催中の企画展「琉球列島 地質・化石展」では、ポスターモデルデビューも果たしました!
企画展の会場内では新型のおじさんを間近で見ることができます。おじさんもみなさんに会えるのを楽しみにしているそう。ぜひその姿を間近で確認してください。
「琉球列島 地質・化石展」
~2月24日(月)9時~18時、(金) (土)9時~20時
県立博物館・美術館(おきみゅー)
一般1000円



